J1上位クラブは「ブンデスで残留できる」 元Jリーグ大物助っ人、日本の“レベル”に持論
【元J得点王・オルデネビッツ氏インタビュー|第2回】ブレーメン現役スカウトの目線で見た日本サッカー
Jリーグ元年の1993年に来日し、翌94年には30ゴールを奪って得点王に輝いた元ジェフユナイテッド市原(当時)のドイツ人FWフランク・オルデネビッツ氏は、現在もブレーメンのスカウトとして日本サッカーを定期的にチェックしている。インタビュー第2回では、スカウトの目線から見た日本人選手の特徴と現在のJリーグについて語ってもらった。
Jリーグでの対戦相手や所属していた市原の日本人選手から受けた印象について、オルデネビッツ氏は「運動量、テクニック、勤勉性」という3つのキーワードを挙げて説明してくれた。
「1986年のキリンカップで日本代表と対戦した時も感じたことだけど、日本人選手は常に良いフィットネスを保っていて、テクニックのレベルも非常に高かった。また、私がいたジェフでは練習開始前にクラブハウスで筋力トレーニングをして、練習後もピッチに残って自主練習に取り組む選手たちが多かったことを覚えている」
これらは、同氏がスカウトとして勤めているブレーメンの日本代表FW大迫勇也や、他の日本人選手にも見られる共通した特徴であり、大きな強みであるというのがオルデネビッツ氏の分析だった。
では、逆に日本人選手の欠点はどこにあると思うかと質問したところ、同氏は「自己判断の欠如」を指摘した。
「監督から『右サイドを駆け上がってクロスを上げろ』という指示を受けると、たとえゴール前に味方が誰も走り込んでいなくてもクロスを上げるという場面をよく目にした。そのような時には一度立ち止まって考えてみるべきだ。サッカーでは試合中の大半の場面で監督の指示に沿ってプレーすることになるが、時々自分自身で考えて判断しないといけない瞬間もある。そうした力は、今も日本人選手に欠けている部分だね」
自ら考えて判断を下し、場合によっては監督の指示とは違う行動を選ぶことも辞さない――。オルデネビッツ氏によれば、そうした自我の強さや柔軟な対応力を身につけることが、日本サッカーのさらなる発展には欠かせないという。
「日本はワールドカップにも連続で出場しているが、そうした成功はチームとしてのものだ。自分で決断して結果を出せる選手が求められている。そうした選手がいれば、もっと日本のサッカーは良くなると思う。サッカーでは時々エゴイスティックになってもいいし、アグレッシブに戦うことも必要だ。1対1やシュートチャンスの場面では特にそうした気持ちが大事になってくる。パスや味方のフォローばかりしていてはダメなんだ」