「タクミは興奮しているはず」 南野、ライバル加入の“恩恵”に現地注目「専念できる」
リバプールはMFジョッタを獲得 南野の状況が好転する可能性を指摘
リバプールは現地時間19日、ウォルバーハンプトンからポルトガル代表FWディオゴ・ジョッタの獲得を発表した。昨季公式戦16得点を決めた23歳の新鋭アタッカーは日本代表MF南野拓実のライバルになると見られるが、リバプール専門メディアは「ジョッタの到着はタクミ・ミナミノに最高の優勝をもたらす」と見出しを打ち、南野が受ける“恩恵”を指摘している。
昨季30年ぶりにリーグ制覇を果たしたリバプールにとって、今季は王者として連覇を目指すシーズンとなる。しかし、今夏の移籍市場ではライバルチームが積極的な大型補強を敢行するなか、左サイドバックのバックアッパーとしてオリンピアコスからギリシャ代表DFコスタス・ツィミカスの獲得のみにとどまっており、静観の姿勢を見せていた。
そして迎えた開幕戦ではリーズ・ユナイテッドに4-3と競り勝ったものの、昇格組を相手に本拠地アンフィールドで思わぬ大苦戦。連覇を危ぶむ声も出てきたなか、18日にはかねてより獲得が噂されていた世界屈指のゲームメーカーであるスペイン代表MFチアゴ・アルカンタラがバイエルン・ミュンヘンから加入した。さらに翌日、ウォルバーハンプトンから4100万ポンド(約55億円)でジョッタの獲得を正式発表している。
ジョッタは3トップの左、真ん中、右のどこでもプレー可能で、4-2-3-1システムではトップ下でのプレーも得意としている。南野にとっては限られた出場時間を争う強力なライバルとなるが、リバプール専門メディア「Rousing The Kop」は「ジョッタの到着はタクミ・ミナミノに最高の役割を提供する」と見出しを打って取り上げている。
記事では、「ジョッタはタクミ・ミナミノに恩恵をもたらすはずだ。この日本代表は今こそ飛躍することができる」と取り上げ、「タクミはジョッタの加入に興奮しているはずだ」と綴っている。ライバル加入が危機に直結するのではなく、むしろ南野にとっては追い風となると主張した。
リバプールは今夏、ワトフォードのセネガル代表FWイスマイラ・サール獲得を画策するも、最終的には移籍金の折り合いがつかずに撤退したと報じられていた。それを踏まえて「サールは右と中央を主戦場とするため、左の補填が不足することになった。そのため、マネのバックアップは南野に託されることが予想されていた」と同メディアは指摘。サールを獲得していた場合、南野は左サイドのバックアッパーに固定されていた可能性に言及している。
ジョッタは右でもプレーできるが、最も得意とするのが左のため、「ジョッタが左をカバーする状況は、南野が他のポジションに専念できることを意味する」と、中央のブラジル代表FWロベルト・フィルミーノのバックアップ、もしくはトップ下でのフィルミーノとの共存に注力できると強調していた。出場時間を争う点ではライバルであることに変わりないものの、ジョッタの加入で状況が好転する可能性もあるのかもしれない。
(FOOTBALL ZONE編集部)