進むファン・ハールのオランダ化 マンチェスター・Uが今冬にオランダ代表MF獲得を目指す

冬も大型補強か!?

 今夏の移籍市場で総額1億5000万ポンド(約255億円)をつぎ込む大量補強を敢行したマンチェスター・ユナイテッドのルイス・ファン・ハール監督が、来年1月に開く移籍市場でさらなる大型補強に動くことが明らかになった。英高級紙「タイムズ」が「ファン・ハールがマンUでさらなる投資に青信号」という見出しで報じた。
 記事によると、ファンハール監督は2年連続のチャンピオンズリーグ出場権獲得失敗を恐れるクラブ側から、冬のマーケットでさらなる投資を許可されたというのだ。すでに獲得に動いているのはASローマのボランチ、ケビン・ストロートマン。オランダ代表監督時代のまな弟子は、昨年3月のセリエAナポリ戦で左ひざ前十字靱帯を断裂。ブラジルワールドカップに出場することはかなわなかったが、左利きで高い技術とキャプテンシーを誇る。現在順調に回復しており、冬の移籍市場では、3000万ポンド(約51億円)の違約金で獲得に乗り出すことになるだろう。
 さらに、記事では、最終ラインの補強としてMF香川真司を放出したボルシア•ドルトムントのキャプテン、DFマッツ・フンメルスの補強にも動くことになるという。
 フンメルスの移籍金も推定3000万ポンドで、今夏に続き、100億円を超える補強費をマーケットにつぎ込むことになるかもしれない。
 ファン・ハール監督は今季公式戦勝ち星ゼロで、ホーム開幕戦でクラブとして1972年以来となる黒星を喫した。リーグカップ戦でも3部の格下MKドンズ相手に0-4で惨敗するなど、失態を繰り返している。今季移籍市場ではすでに英国史上最高額の移籍金でアルゼンチン代表MFディマリアの獲得し、コロンビア代表FWファルカオら大型補強を繰り返した。
 オランダ人指揮官は、移籍市場閉幕ギリギリでアヤックスからオランダ代表DFダリー・ブリントを獲得している。また、W杯期間中にはバイエルン•ミュンヘンのオランダ代表FWアリエン・ロッベンにマンチェスター・Uへの移籍を勧めており、ストロートマン獲りはオランダ派閥で固めようとする意図も見え隠れする。
 一方、大型補強の反動は、有望な若手の出場機会の減少を意味する。名手デイビッド・ベッカムら、アカデミー出身の俊英をトッププレーヤーに育ててきたユナイテッドの美しき伝統は、大ナタを振るうオランダ人指揮官により大きな転換期を迎えようとしているのかもしれない。

【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

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