世界を知る内田篤人の刺激、選手たちが感銘 「ロールモデルコーチ」の“指導者”初仕事に密着

選手たちが見た内田は? 「厳しく物事を言うわけじゃないけど…」「ビシッとなった」

 実は午後練習の前にミーティングがあり、影山監督に加えて内田コーチから選手たちに3~4分の話があったと言う。

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「我々が目指すべきものはどこなのかを話した時に、せっかく内田コーチが来ているからいろいろ話をしてもらおうと言うことで、世界で戦うとはどういうことかをみんな必死にやってるけど、そんなんじゃまだまだ届かないよと言うことを、優しいながらも厳しさに溢れた口調で言ってもらいまして」

 影山監督がそう振り返るように、内田の話は選手たちに良い影響を与えたようだ。午前練習から内田と一緒に練習していたFW櫻川ソロモン(ジェフユナイテッド市原・千葉)は「そんなに厳しく物事を言うわけじゃないですけど、今日の午前中のプレーを見て、まだまだ足りないと。もっと集中して1個1個のプレーを大切にしないといけないという言葉をいただいた」と語り、最初のパスコントロールから集中して入ることができたという。

「経験ある選手から言われたので、みんなビシッとなった感じはあります」と語る櫻川は、同世代ですでに欧州のトップリーグで活躍している日本代表MF久保建英(ビジャレアル)の活躍に関しても「リスペクトしている部分はあるんですけど、悔しい部分も本当あって、でもまだまだ自分もチャンスあると思っている」と志を掲げる。そういった選手にも、まさに世界のトップで戦ってきた内田コーチの存在は非常に大きなものになりそうだ。

 また少し前まで鹿島アントラーズで一緒にプレーしたMF松村優太は、当時から「右サイドで組むこともありますし、内田さんが持った時、サイドバックが持った時のどこに動いてほしいだとか、守備の立ち位置とか細かいところアドバイスくれたりしてくれた」と語るが、現在はコーチとして「僕だけではなく全体を見ている」と認識を新たにしながら、豊富な経験を吸収していきたいと思っているようだ。

「経験してきたものが違うので、その人の言葉が一つ一つ重みがありますし、そこから午後の練習はガラッと雰囲気が変わっていたので、そういう言葉の大事さも分かりましたし、そういう経験をしてきた人がコーチとして僕たちに教えてくれるのはありがたいことだと思います」

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河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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