世界を知る内田篤人の刺激、選手たちが感銘 「ロールモデルコーチ」の“指導者”初仕事に密着
就任発表翌日からU-19日本代表合宿に参加、的確アドバイス「そこもっと行っていいよ」
JFA(日本サッカー協会)から元日本代表DF内田篤人氏のロールモデルコーチ就任が発表された翌日の14日、早速U-19日本代表候補の合宿に参加して、影山雅永監督やスタッフとともに、選手たちの指導に加わった。
【注目】白熱するJリーグ、一部の試合を無料ライブ配信! 簡単登録ですぐ視聴できる「DAZN Freemium」はここから
“ロールモデルコーチ”というのは、指導者のライセンスを持たない内田氏が代表チームや選手の指導に加われるよう、独自に与えられた役職で、耳慣れないのはメディアも同じ。ただ、実際に練習を取材して、影山監督や選手の話を聞く中で役割と効果が明らかになってきた。
午前練習は5対5にGKを付けたミニゲーム形式の練習でフリーマンとして、両方のチームからパスを受けて周囲に捌く役割を担い、一緒に体を動かしながら「そこもっと行っていいよ」「それはしょうがない。気にしないでいいよ」と言った短い声かけをしていた。
外から見る限り、指導者というよりは経験豊富な選手が混ざってアドバイスを送るような風景だが、それが従来のコーチングスタッフと良い意味で役割分担されている印象で、バッティングしない感じがすごく効果的に感じられた。
午後の練習はスタッフの1人としてボールを集めたり、手伝いながら選手たちの動きを見ていたが、現役時代と同じサイドバックの成瀬竣平が11対11のスタンバイをしてる時間を使って、具体的にアドバイスする姿も。もともと二つのボールを左右の手で持っていたが、そのうち左手で二つのボールを抱えて、右手でジェスチャーしながら伝えていたのが印象的だ。
河治良幸
かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。