「久保は大事な役割を担う」 地元記者が断言、「エメリに賭けた」ビジャレアルの野心とは?

ビジャレアルを長年取材する記者が語る久保建英への期待【写真:Getty Images】
ビジャレアルを長年取材する記者が語る久保建英への期待【写真:Getty Images】

【スペイン発】ビジャレアルを長年取材する記者が語る、今季展望と久保への期待

 リーガ・エスパニョーラの新シーズンが、9月12日に開幕する。日本代表MF久保建英は、レアル・マドリードから期限付き移籍したビジャレアルで、13日のウエスカとの開幕戦からスペイン2年目のシーズンをスタートさせる。久保は新天地でどんな役割を求められ、期待されているのか。昨季5位のビジャレアルは、新シーズンに何を目指して戦うのか。スペインラジオ局「オンダ・セロ」のビクトル・フランク記者に話を聞いた。

 ビジャレアル出身のフランク記者は、クラブ史上初めてリーガ1部に挑んだ1998-99シーズンからラジオで地元クラブの試合を伝えている。2001年に元アルゼンチン代表FWマルティン・パレルモが得点後にサポーターとゴールを祝ったが、スタンド最前列が決壊した事故に巻き込まれて重傷を負った時も、2006年にUEFAチャンピオンズリーグ(CL)準決勝の第2戦、アーセナル戦で元アルゼンチン代表MFフアン・ロマン・リケルメがPKを失敗した場面も直に見てきた。

 そんな近年のクラブの歴史を知る彼の目に、久保はどのように映るのだろうか。

「プレシーズンで目にした久保のプレーは、昨シーズン、マジョルカに在籍していた時に見ていたパフォーマンスと同じだったと思います。今年のプレシーズンは、新型コロナウイルスの影響で短く、とても奇妙です。トレーニング日数も例年のように多くない。ですから、私は彼のビジャレアルにおけるプレーをまだよく読み取れていないのが事実です。また彼だけではなく、チームの形もまだ見えていません。

 久保には良いイメージを持っていますし、彼が今シーズン、チームにとってとても重要なプレーができるアイデアを備えていることは知っています。ですが、今夏に彼のプレーから見て取れたのは、ビジャレアルにおける新たなパフォーマンスは少しだけで、昨シーズン見ていたプレーが多かったです。同じく新加入の(ダニエル・)パレホも(フランシス・)コクランも同じ印象です」

 先月10日に始動したビジャレアルは、ここまでプレシーズンマッチを5試合消化。リーガ2部のカルタヘナ(3-1)とテネリフェ(2-3)、リーガ1部のバレンシア(1-2)、レアル・ソシエダ(2-0)、レバンテ(1-2)と戦って2勝3敗の成績で終え、開幕を迎える。

「いいプレシーズンではありませんでした。結果が良くなかった。ですが、ビジャレアルはその結果を心配していません。新しい監督で、チームのやり方も変わり、もう少し時間が必要なことを理解しています。ですから、プレシーズンの結果やパフォーマンスに重きを置いていません。もっと時間が必要ですし、1、2カ月後にとてもいいチームを目にできるのを確信しています」

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