なぜノーハンド? ジェスチャーで示された判定の理由、“支え手”の捉え方を識者解説
「ちゃんと見ている」ということを示す主審の“ジェスチャー”
仙台対G大阪の試合中の判定に注目すると、飯田主審のジェスチャーは視聴者目線でも分かりやすく映った。試合前半にもハンドの判定の際、飯田主審が状況をジェスチャーによって示した場面があり、番組で紹介されている。
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同試合の前半39分、仙台のCKの場面。中継では最後にボールをコントロールしようとしたFWアデミウソンのハンドと推測した。しかし、東京都サッカー協会審判委員長を務める牧野明久氏は、飯田主審が腕を上げるジェスチャーをしていることを指摘。これは、ハンドの対象がアデミウソンではなく、先に腕を上げてヘディングの競り合いに行った小野瀬だったことを伝えようとしていると考察した。
選手に明確な説明をする必要があるとき、これらのジェスチャーは「ちゃんと見ている」という意思表示にもなっている。正確に判定を伝えるためのこういった工夫は、選手との円滑なコミュニケーションを図るための一部でもあるのだろう。
冒頭のシーンは判定の困難なシチュエーションであり、明確な“正解”を出すことが難しい部分もあった。JFAによれば、そうしたシーンでもより判定を正確にしていくために、審判団はオンラインでの試合後の意見交換、月1回ほどの勉強会を実施しているという。今回取り上げられた主審の“ジェスチャー”も、そうした日々の積み重ねが生んでいるのだろう。視聴者としても理解を深め、正しい視点から判定の是非を問うていきたいところだ。