なぜノーハンド? ジェスチャーで示された判定の理由、“支え手”の捉え方を識者解説
仙台対G大阪での判定を紹介 番組での説明にはやや不足していた部分も
先日、JFA審判委員会が新競技規則について中間報告があったなか、再び「ハンドの反則」で話題となるシーンがあった。16回目の配信となるスポーツチャンネル「DAZN」の『Jリーグジャッジリプレイ』では、“支え手”のハンドに関する場面を紹介。そのとき主審が示したジェスチャーにも注目しつつ、判定までの流れに迫った。
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問題のシーンはJ1第14節、ベガルタ仙台対ガンバ大阪の後半27分だった。仙台の右サイドからのクロスが入り、流れたところをペナルティーエリア内で仙台FW西村拓真が折り返す。そこでスライディングでブロックに行ったG大阪MF小野瀬康介の右手に当たり、仙台側はハンドをアピールしている。
飯田淳平主審は、抗議する仙台の選手に対して“手で地面を支える”ような仕草を見せ、ノーハンドの判定を下している。これは小野瀬の右手が「身体を支えるための手」であることを伝え、ハンドに該当しないことを示しているようにも見えた。
競技規則は「体を支えるための手や腕が体と地面の間にある」場合、ハンドの反則にはならないとしている。小野瀬の右手が、スライディングする際の“支え手”であったことは確かだ。一方で、ボールが当たる際に手のひらが返っているように見えるという意見もあり、“支え手”がどこまで許されるのかは難しい点となっている。
番組では、どこまでを“支え手”の範囲とするかは非常に難しい判断だとしつつ、競技規則上で明確な記載がないことも指摘されている。出演者それぞれが選手の動きについて様々な意見を述べたが、最終的に「支え手と見るしかない」と、ジェスチャーも使用しはっきり判断を下した主審の判定を支持する形となった。
ただ、“支え手”の項では例外として「ただし、体から横または縦方向に伸ばされていない」とも記載されている。こちらも範囲の解釈が難しい。今回のケースがそれに該当するかは不明だが、このあたりへの言及も必要だったのではないだろうか。