神戸はいかにして変貌を遂げた? システム変更で示した“イニエスタ不在時”の最善プラン
首位川崎に惜敗も… 試合序盤のシステム変更で状況を打開「思い描いたような展開」
ヴィッセル神戸は9日、J1リーグ第15節で川崎フロンターレと対戦し、2-3で敗戦を喫した。一時は首位の川崎相手に逆転するも、終盤にスコアをひっくり返され、白星を逃した。それでも、1週間前に0-6の完敗を喫した川崎を相手に健闘を見せている。神戸は短期間でどのような改善を施したのだろうか。
【注目】白熱するJリーグ、一部の試合を無料ライブ配信! 簡単登録ですぐ視聴できる「DAZN Freemium」はここから
神戸が川崎と顔を合わせたのは、直近の3週間で3度目となった。第1ラウンド(8月26日)の第24節で2-2と引き分けるも、第2ラウンド(9月2日)のルヴァンカップ準々決勝では、0-6の大敗。この一戦は元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタの復帰戦にもなったため、海外でも惨敗が取り上げられることとなってしまった。
第3ラウンドとなった今回は、負傷明けのイニエスタが大事をとって欠場することに。立ち上がりは3-5-2システムで臨んだが、序盤から川崎の猛攻に苦しむと、前半8分にPKを与えてしまい、あっさりと先制を許してしまう。すると、トルステン・フィンク監督は前半途中から3-4-3システムへの変更に踏み切る。これを機に息を吹き返した神戸は攻撃が活性化し、前半23分にはスルーパスに抜け出したFW古橋亨梧が同点弾を決めた。
さらに後半14分、右サイドでボールを受けたMF山口蛍がグラウンダーのクロスを入れると、走り込んだFW藤本憲明がゴール前から押し込んで逆転ゴールとなった。逆転に成功した神戸だったが、5枚のカードを切った川崎の怒涛の反撃に屈し、同38分、40分と立て続けに失点。最終的には2-3と競り負け、白熱したシーソーゲームで勝負強さの違いを見せつけられる格好となった。
それでも、1週間前に6点差の大敗を喫した相手に大健闘を見せたのは間違いなく、試合後の会見でもフィンク監督は「リーグを圧勝しているチームを相手に良い試合ができたし、勝つべき試合だった」と内容への手応えを口にしていた。さらに、「戦術面でも、思い描いたような展開にできた」とシステム変更が功を奏したことにも触れている。
「今日は3-5-2システムでスタートしたが、ピッチの幅を使うことができておらず、なかなかうまく行かなかった。それを見て、前半途中から3-4-3システムへの変更を決断した。前線は左に古橋、右に山口を置くコンバートを施した。それで良くなったと思う」