J1王者が見せつけられた“差” 川崎に局面の技術で完敗、横浜FM選手も痛感「相手が一枚上手」
『前年度王者』という肩書きはもう必要ない
さらに横浜FMとしては、後半開始直後に立て続けに起きたミスが痛かった。自陣でパスミスを犯したDFティーラトンやDF畠中槙之輔はビルドアップの核となる選手で、パス成功率はとても高い。それだけにミスで自分たちが躓き、さらに相手に勢いを与えたという点で大きく影を落とした。
1-3というスコアと、アンジェ・ポステコグルー監督が「彼らの勝ちに等しい試合展開だったと思う」と認めた内容は、今日この日に限っては妥当なものだった。もともと頼っていない『前年度王者』という肩書きだが、本当の意味で必要ないだろう。この日、見せつけられた差を埋めるべく、残りのシーズンを戦っていくのみだ。
藤井雅彦
ふじい・まさひこ/1983年生まれ、神奈川県出身。日本ジャーナリスト専門学校在学中からボランティア形式でサッカー業界に携わり、卒業後にフリーランスとして活動開始。サッカー専門新聞『EL GOLAZO』創刊号から寄稿し、ドイツW杯取材を経て2006年から横浜F・マリノス担当に。12年からはウェブマガジン『ザ・ヨコハマ・エクスプレス』(https://www.targma.jp/yokohama-ex/)の責任編集として密着取材を続けている。著書に『横浜F・マリノス 変革のトリコロール秘史』、構成に『中村俊輔式 サッカー観戦術』『サッカー・J2論/松井大輔』『ゴールへの道は自分自身で切り拓くものだ/山瀬功治』(発行はすべてワニブックス)がある。