苦悩の清水、“オルンガ不在”の柏に敗れ4連敗 「シュート0本」の前半がお粗末すぎた

攻撃的スタイルに挑戦、選手は「迷いはない」と話すが…

 勢いからすれば同点、逆転も期待できる雰囲気にもなったが、そこからの攻撃が中途半端に感じた。パワープレーで押し込むわけでもなく、つないで崩すのであれば交代枠も3つ残っており、その適役のMF河井陽介やMF鈴木唯人を投入することでさらに活性化はできたと思ったが、試合はこのまま1-2で終了した。

 これでリーグ戦4連敗となり、14試合が終了して2勝3分9敗の勝ち点9で17位。1試合消化が少ない最下位の湘南ベルマーレとの勝ち点差は4。通常のシーズンであれば関係各所が騒がしくなる勝ち点と順位だが、「迷いはない。ボールに関わるところで意識を高くできれば、もっと良いサッカーができる」と試合後に後藤は話し、キャプテンのMF竹内涼は「選手が共通の意識を持って取り組めば」と、前半と後半の違いを分析している。コロナ禍のなか、依然として清水も完全非公開練習が多いために練習中のチームの様子は分からないが、意識を高めるにはお互いの考えや気持ちをぶつけ合うことだ。

 今、サポーターは試合の結果で一喜一憂している。選手たちにそれは必要ないが、新たなサッカーにチャレンジしているなか、もっと練習から妥協せずに激しく求め合うチームに成長することで、試合の勝敗に関係なく応援する人たちに感動を与えられると思っている。難しいシーズンだが、あらためて新しいサッカーに取り組み始めた頃の気持ちを思い出し、チーム一丸となって挑戦を続けてほしい。

page1 page2 page3

下舘浩久

しもだて・ひろひさ/1964年、静岡市(旧清水市)生まれ。地元一般企業に就職、総務人事部門で勤務後、ウエブサイト「Sの極み」(清水エスパルス応援メディア)創設者の大場健司氏の急逝に伴い、2010年にフリーランスに転身。サイトを引き継ぎ、クラブに密着して選手の生の声を届けている。

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング