故意ではなくてもPKが“正解” ハンドの判定基準を識者解説「選手が理解を高めないと…」

故意かどうかが判定基準になる場合のレフェリーの視点とは

 続いて取り上げられたのは「故意」と捉えられたハンドの場面だ。この事象が起こったのはJ1第13節北海道コンサドーレ札幌対名古屋グランパスの後半アディショナルタイム。札幌が相手ゴール前へ送ったクロスが跳ね返り、ペナルティーエリアぎりぎりのゴールライン付近で札幌MFルーカス・フェルナンデスと名古屋FW相馬勇紀が競り合う。体を入れようとした相馬の右手がボールに当たったところで、西村雄一主審がハンドの反則を取り、札幌にPKを与えた。

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 この場面では、相馬の腕は肩より上には上がっていないため、「故意にハンドしたのか」が焦点となる。深野氏は判断する一つの基準として、ボールと選手の腕や手、どちらが迎えに行ったかが重要になると指摘。今回のシーンでは映像で、ボールに対して腕が向かっていった、つまりボール方向に腕を動かしているということが確認できる。深野氏は、この点から「故意にハンドをした」という判定になったと説明し、判定の妥当性を主張した。

 異なる二つのシーンから分かるとおり、ハンドには様々な判定基準があり、適用の考え方も学ぶところが多い。一方、選手であっても基準を明確に理解できていない面もあるだけに、視聴者側も含めてまだまだ理解を深める余地はあるだろう。サッカーを正しい理解とともに楽しむためにも、引き続き『Jリーグジャッジリプレイ』での議論は注視したいところだ。

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