鹿島内定DF常本佳吾、内田篤人ら“2番”の系譜を継ぐか 明治大で輝く「二刀流」の才能
来季鹿島加入が内定しているDF常本佳吾、主戦場は右SBも3バック中央も兼務
昨夏の総理大臣杯を皮切りに、関東大学リーグ1部、そしてインカレを制し、“三冠王者”の栄光をつかんだ明治大は、今年も大学サッカー界をリードする存在だ。
チームを率いて6年目を迎える栗田大輔監督は、「個々の強さの追求はもちろん、アグレッシブで、クリエイティブなサッカーをピッチ全体で表現したい」と、進化と変化の歩みを止めるつもりなど毛頭ない。
さらなる高みを目指す明治大の戦術的テーマは「流動性」だ。試合の流れやスコア、相手の出方によって4-4-2と3-2-3-2のシステムを使い分け、試合の主導権を握りながら勝ちきることを自らに課している。
その中心的役割を果たすのが、2021年に鹿島アントラーズ入りが内定しているDFの常本佳吾だ。主戦場は右サイドバック(SB)ながら、3バックにシステム変更した際は最終ラインの中央に入り、要所を締める。いわゆる二刀流。複数のポジションを高次元でこなせる対応力が持ち味の一つでもある。
「(後ろが3枚でも4枚でも)どちらもできるように普段のトレーニングから準備しているので、戸惑うことはない。自分だけではなく、チーム全体としても頭の切り替えはスムーズ」と、状況に応じた可変システムに好感触を得ている。
現在21歳。将来を嘱望されるSBの魅力は、なんといってもスピードだろう。鋭い読みを生かしたインターセプトや幅広いカバーリング、果敢なオーバーラップなど、攻守にわたってその速さが際立っている。
持ち前のスピードを最大限に生かしつつ、さらに良質なパフォーマンスへと押し上げているのが、サッカーIQの高さにほかならない。「自分にはゲームを読む力がある」と自負するとおり、「今がチャンス、今がピンチ」という時に一気に加速し、周囲の状況に関与していく姿を何度目にしたことか。
最後尾で明治大のゴールを守るGK早川友基は、戦術的キーパーソンの常本をこう評する。
「4バックでスタートして、流れが良くない時やリードを守りきりたい時、3バックに変更して落ち着かせるのが僕らのゲームプランの一つ。常本が3バックの真ん中に入ると守備がよりアグレッシブになるし、ボールも動かせるので、攻守両面で引き締まる」