出直し1勝のなでしこに澤さん、魂のエール 「ここからがスタート。這い上がってほしい」

チームもレジェンドの檄に応える大量6得点

 なでしこジャパン再出発の1勝に、澤穂希さんもようやく笑顔を浮かべた。リオデジャネイロ五輪アジア最終予選のベトナム戦で6-1と、今予選初勝利を挙げたチームに対して、テレビ中継で特別ゲストを務めた澤さんは「久しぶりにみんなの笑顔が見られてよかったです」と安堵の表情を浮かべた。

 ベトナム戦前に行われた中国対韓国のゲームで中国が1-0で勝利したため、日本の4大会連続となる五輪出場の可能性は潰えた。2000年シドニー五輪出場を逃した経験のある澤さんも、試合前に「企業チームが撤退したり、スポンサーさんがなくなるなど、本当に厳しい時代でした」と当時を回想した。イバラの道を予想しながらも、なでしこの戦士たちに逆境を跳ね返す反骨心を求めた。

「厳しい現状ですけど、ここからがスタートだと思いますし、なでしこらしいひたむきさを、一生懸命戦う気持ちを前面に出して這い上がってほしいです。次の世代、日本女子サッカーの未来に向けてつながる試合にしてほしいと思います」

 この日のなでしこは序盤こそリズムに乗れない攻撃が続いたが、前半39分に次代を担う22歳のFW岩渕真奈のゴールで先制点を奪う。直後に微妙な判定からPKを取られて同点とされたが、前半終了間際にFW大野忍の鮮やかなボレーで勝ち越し点をゲット。逆境になるほど強さを見せる、本来の持ち味をようやく取り戻した。ハーフタイムに澤さんは安堵した表情を浮かべつつも、より高いレベルを要求した。

 

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