J1デビューは「夢のよう」 大分の韓国人GK、母国メディアに喜び「嬉しくて涙が出た」
25歳の大分GKムン・キョンゴン、J1第9節川崎戦で待望のリーグ戦初出場
J1大分トリニータの韓国人GKムン・キョンゴンが韓国で注目を浴びている。というのも、最近、スタメンで試合に出場し続けており、安定感が増したことで、チームへの貢献度の高さが韓国にも伝わっているようだ。守護神へと成長を続け、いずれ韓国代表入りも視野に入れているはずだが、そんななか韓国のサッカー専門サイト「インターフットボール」が、ムン・キョンゴンへの電話による独占インタビューを慣行している。
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そこで話した内容を伝える前に、少し彼の経歴を見ておきたい。
1995年生まれで現在25歳のムン・キョンゴンは、大学4年時の2017年に大分に加入。身長187センチ、体重81キロと恵まれた体格で、プロデビュー戦は18年の天皇杯2回戦。なかなか先発を勝ち取れないなか、ようやく今年8月5日に行われたルヴァンカップのガンバ大阪戦(1-1)でスタメン出場した。
Jリーグ初出場が叶ったのは、8月8日のJ1第9節川崎フロンターレ戦だった。試合は0-2で敗れたが、続く15日の横浜F・マリノス戦(1-0)、19日の北海道コンサドーレ札幌戦(1-1)、23日の柏レイソル戦(0-0)でも先発出場して、90分間ゴールマウスを守った。
3年もの間、リーグ戦デビューを待ち望んでいた彼の思いに「インターフットボール」は迫った。そこでムン・キョンゴンは、こんな思いを吐露している。
「大分に入団してからの3年間は、とてもしんどかった。妻のおかげで頑張ることができた。今年2月に入籍した。すぐに日本に来て新婚生活中です。新型コロナの感染拡大以降は、一度も韓国に帰国できていません」
若くして海外生活をしなければならない状況に加え、大分の正GKになることもそう簡単なことではなかったはずだ。生涯の伴侶に支えられてきたという思いを、正直に話していた。
さらにJ1リーグデビューについて聞かれ、「その前のカップ戦でいい試合ができた。監督やコーチが高く評価してくれた。リーグまでプレーできているので、夢のようで現実感がありません。あまりにも嬉しくて涙が出ました」と語っている。
苦労が報われた瞬間だったのだろう。大分は第9節でリーグ首位の川崎に0-2で敗れたが、その次の横浜FM戦での結果が自信につながったという。
金 明昱
1977年生まれ。大阪府出身の在日コリアン3世。新聞社記者、編集プロダクションなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めた後、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。2011年からは女子プロゴルフの取材も開始し、日韓の女子ゴルファーと親交を深める。現在はサッカー、ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。近著に『イ・ボミ 愛される力~日本人にいちばん愛される女性ゴルファーの行動哲学(メソッド)~』(光文社)。