“岡崎流”ストライカー論 欧州3カ国を経験して実感、日本人FWが海外で輝くための条件とは?
日本人FWに立ちはだかるスペイン1部の壁に岡崎が挑戦 「崩していくのが目標」
「僕は大胆な珍しいタイプだったと思う。周囲が崩してパスを出してくれる。だから、海外では自分のタイプがやっとハマったという感覚だった。今までつけてきた力をあえて注がずに、自分のやりたいことで勝負できている。それが、(今季)ヘディング(のゴール)が多い理由。でも、2部にいる選手はみんなアピールしたい。自分のタイミングだけじゃなくて相手のタイミングに合わせるなかで最初は難しかったけど、ゴールを重ねていくとあとは合わせるだけだった。『やっと合った』という感覚」
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まさに岡崎慎司、という戦い方で積み上げた12得点。次のステージはスペイン1部になる。これまでFW大久保嘉人(東京ヴェルディ)や城彰二、西澤明訓ら日本人ストライカーが挑戦するも、高い壁に悩まされてきたリーグだ。岡崎には新たな試練となる。
「自分にとって、そういうジンクスを崩していくのが目標だと思っている。34歳で一度は2部でやって、でも自分で掴み取ったもの。プレッシャーというよりワクワクする。チャンスがもう一度きた。そうするために選んだ道でもあるので、乗り越えたい。1部でも二桁に到達するのが目標の一つ。でも、まずは1点取って(欧州主要リーグの)3カ国でゴールを決めるのが目標。自分のキャリアを一つずつ積み重ねたい。そういう楽しみがある。やればやるほど、自分がやってきたことが認められる。そういうシーズンにしたい」
これまで、欧州5大リーグのうち3カ国でゴールした日本人選手はいない。ストライカーとして戦い方を変えてここまでやってきた。そして自らの手で掴んだ新たな挑戦の場――。また、ここからは未知の世界が広がる。だが、きっと岡崎にとって先の見えない景色こそが生きがい。“岡崎伝説”はまだ始まったばかりだ。
(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)