日本人元Jリーガーが南米ペルーで奮闘 “コロナ禍”のリーグ再開「同部屋の選手も陽性に…」

コロナ渦を乗り越え、試合への準備を行う様子【写真提供:デポルティボ・ムニシパル】
コロナ渦を乗り越え、試合への準備を行う様子【写真提供:デポルティボ・ムニシパル】

街の変化に驚き「今まで以上に路上に店が溢れている」

「ペルーは銀、銅などの鉱物が豊富ですが、海外への輸出もストップしていたので、国の経済も回っていなかった。6月までは外出禁止のルールも厳しかったですが、7月からは緩くなりました。ただ、それと同時に日々の感染者数も増えています」

 8月1日の練習試合の際に久々に街中を車で通った際には、街の変化を感じたという。

「とにかく人の多さに驚きました。市場内でもコロナ対策でアルコールの常備が義務付けられるなどルールが厳しくなり、家賃が払えなくなった店主たちが路上で店を構えるようになっていたんです。貧しい人たちは生活がかかっている。国は規制をかけていますが、その日暮らしの人たちは『コロナで死ぬか、餓死するかだ』と抗議を繰り返していて、今まで以上に路上に店が溢れている状態です」

 政府は高齢者らに給付金を用意したが、すでに死んでいる人のもとにお金が届く一方で、給付金が届かず受け取れない人もいるなど、国のシステムが正常に機能していない状態。澤は「給付金も平等に配られておらず、お金に余裕のある人に届いているのに、貧しい人に届いておらず、本当に必要としている人のもとに行き届いていない」と嘆く。

 それでも、サッカーが最も人気のスポーツである同国でプロの試合が再開されたことは、国民にとっては朗報だ。「今年は日程も過密ですし、感染者を多く出さないようにキープし続けたチームが優勝するような気がします」と話す澤。過密日程のなか、総力戦となるシーズンを想定し、感染を予防しながら高いプロ意識でピッチへと向かう。

(福岡吉央 / Yoshiteru Fukuoka)



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