浦和レッズ「9」番の系譜 エースナンバーを背負った男たちの誇りと覚悟とは
ミスター・レッズの象徴
オランダリーグが1970-71シーズンに背番号の固定制を取り入れてから20年ほど経過した93-94シーズン、イングランド・プレミアリーグが採用に踏み切ると、欧州の主要リーグはこぞって導入していった。
Jリーグは92年の第1回ナビスコカップから96年のリーグ戦まで、先発の11人が1番から11番までを着用する変動制を採用していたが、97年から”マイナンバー”である固定制へと移行した。
5番、9番、11番、22番とある中で、ココ・シャネルの代表的な香水といえば「No.5」だ。
9番、10番、21番とある中で、浦和レッズの象徴的な点取り屋の背番号といえば「No.9」だ。
10番は韋駄天(いだてん)の怪童エメルソン、21番はペナルティーエリアを特別行政区としたワシントンで、そろってJリーグ得点王を獲得。そして9番は95年に日本人初のJリーグ得点王に輝き、ミスター・レッズと敬慕された福田正博だ。福田といえば9番、9番といえば福田とイメージできる密接な関係にあり、個人と背番号が一心同体だった浦和の選手は、いまだにこの人しかいない。