「サッカー選手として終わったんだな」 鹿島DF内田篤人がスピーチで語った引退の理由
現役ラストゲームは74分間プレーして1-1のドローで終了
鹿島アントラーズは23日、J1リーグ第12節でガンバ大阪と対戦。現役引退を発表した元日本代表DF内田篤人は前半16分から途中出場したなか、現役ラストゲームは1-1のドローで終えた。試合後、引退の挨拶を行った内田は「また会いましょう」とメッセージを残した。
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G大阪戦で内田はベンチスタートとなったが、先制を許して迎えた前半16分にDF広瀬陸斗が負傷。ザーゴ監督は迷わず代役として内田の投入を決断した。
ザーゴ監督の指示でMF三竿健斗が内田にキャプテンマークを託し、内田は慣れ親しんだ右サイドバックへ。MF倉田秋のパスにスライディングタックルを仕掛け、前半終了間際には右サイドを駆け上がってクロスを上げるなど、気迫あふれるプレーを見せた。
後半11分には内田の前線へのロングボールを起点にFWエヴェラウドがチャンスを迎えるもゴールならず。その後も内田は何度もサイドを駆け上がり、クロスを上げてG大阪ゴールに迫ったが、欲しい1点を奪えないまま時間が経過していった。
敗戦かと思われた後半アディショナルタイム、MF荒木遼太郎のクロスにDF犬飼智也が劇的なヘディングシュートを叩き込んで土壇場で同点に追いつき、1-1のドローで現役ラストゲームを終えた。
試合後のスピーチでは、「たいした話をしないので大丈夫です」と“内田節”でスタートした。
「今日、僕はここでサッカー選手を引退します。鹿島アントラーズというチームは数多くのタイトルを取ってきた裏で、多くの先輩方が選手生命を削りながら日々努力する姿を見てきました。僕はその姿を今の後輩に見せることができないと、日々練習していく中で体が戻らないことを実感し、このような気持ちを抱えながら鹿島でプレーすることは違うんじゃないか、サッカー選手として終わったんだなと考えるようになりました。
もう一花、二花咲かたいと日本に戻ってきましたが、そのなかで隣に寄り添ってくれたトレーナー、まだやれると背中を押してくれたザーゴ監督、大岩(剛)前監督、良い時も悪い時も共に過ごしたサポーター、スポンサー、そしてチームメート、本当にありがとうございます。このようなシーズン、チーム状況で僕の決断を理解してくださった強化部、監督、そしてチームメート本当に申し訳ない。日の丸を背負ってプレーする重さも、殺気のあるドイツでのスタジアム、つらさも嬉しさもすべて僕の財産です。
もう少しだけ(話を)。この話を聞いているプロサッカー選手を目指すサッカー小僧の皆さん、鹿嶋は少し田舎ですが、サッカーに集中できる環境、レベルの高さ、今在籍している選手たちが君たちの大きな壁となり、ライバルとなり、偉大な先輩として迎え入れてくれるはずです。僕はそれを強く願います。最後に、サッカーを通じて出会えたすべての人たちに感謝します。また会いましょう」
内田らしく、自身のラストゲームのスピーチでも、サッカー少年や若い選手たちにもメッセージを送っていた。
(FOOTBALL ZONE編集部)