岡崎慎司が見た久保建英の“凄み”とは? スペインで実感「技術だけ上手い選手は今までもいた」
「もともとそんなに甘くないと…」 岡崎の考えもひっくり返した久保「自分で証明」
この活躍を岡崎も同じスペインで戦いながら見ていた。バルセロナの下部組織「ラ・マシア」出身で、幼い頃から注目を浴びてきた久保。帰国後に所属したFC東京、期限付き移籍した横浜F・マリノス、そして日本代表でも数々の“最年少記録”を打ち立て、昨夏にレアルへ移籍。着実にステップアップしてきた久保だが、岡崎は「僕はもともと、そんなに甘くないと思っているほうだった」という。
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久保は第3節バレンシア戦、途中出場でリーガデビューを飾ると、第6節アトレティコ・マドリード戦で先発デビュー。徐々に出場時間を伸ばしていたが、年明けにはベンチスタートの試合が続くなど“我慢”を強いられる時期もあった。それでも、新型コロナウイルスによる中断期間でもコンディションを落とすことなく、最後には絶対的な存在へと成長。マジョルカでの1年を終え、シーズンオフには“久保争奪戦”が国内外で繰り広げられた。岡崎の所属するウエスカも興味を示し、グラナダやレアル・ソシエダ、セビージャ、オサスナ、ベティス、レバンテ、セルタ、バジャドリード、ヘタフェなどスペイン国内クラブのほか、オランダ王者アヤックスやフランス王者パリ・サンジェルマンも関心を示していた。
「みんなが欲しがるに値する活躍だった。でも、それを自分で証明したのが凄いなと思いますね。技術だけ上手くて『こいつ期待できるだろ』という選手は、今までもいた。でもそれを自分で証明した。マジョルカでも最初から良かったわけではなくて、自分でもがいて、短期間で結果も内容も変えてきた。ただ若いという選手ではない。それが今までの選手と違うところかな。常に満足しないという。これがいつまで続くか分からないけど、今のやり方でやっていたらどこに行ってもやれるだろうなと思う。コパの時とはまた違う」
急速な成長曲線を描く久保に対し、岡崎は、周囲の声に惑わされず、自らの力で打開していく姿勢に感嘆した。その凄みは同じスペインの地で戦う岡崎だからこそ実感することもある。久保がビジャレアルに移籍したことで、新シーズンではリーガ1部での対戦が実現する。日本のファンにとって、この2人の対決は目の離せないものとなるだろう。
(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)