「守る側としては怖い」 元日本代表GK楢﨑正剛が分析、バイエルンの“恐ろしさ”とは?
「皆が輝いてそれでチームも輝く」――献身性が光るバイエルンの戦いぶり
対するバイエルンは、1試合平均0.8失点の守備もさることながら、ここまで42得点という攻撃力にも目がいく。今大会得点ランクトップの15得点を決めているポーランド代表FWロベルト・レバンドフスキ、元ドイツ代表FWトーマス・ミュラーといった実力者を擁する選手の顔ぶれを見ると、タレント性ではPSGに比べ地味な印象は否めない。それでも、チームとしての戦いぶりを見ると“怖さ”があると、楢﨑氏は言う。
「準々決勝のバルセロナ戦(8-2)で見せた戦いぶりは強烈でしたね。それぞれの選手がしっかりポジションをとってプレッシャーに行って、攻めにも勢いがある。GKも怖さを感じたんじゃないかと思いますね。バイエルンはこちらが攻めようとしてもどこからでもプレッシャーをかけてくるし、ボールを取られたら畳みかけて攻めてくる。要は、中盤の主導権を掴んで来ようとするチームなんですよね。常に攻められていることになるので、守る側としては怖いですよ」
攻撃に比重をかけているようにも見える今大会のバイエルンだが、決してそうではないと楢﨑氏は指摘。攻撃と守備で分けて考えず、チームを活かすために個人が輝く。楢﨑氏の目には、今のバイエルンの戦い方はそのように映っているという。
「攻撃をするために守備をしていて、逆に、攻撃をすることが守備にも活きている。タレント性で言うと、ネイマールやムバッペに比べて地味なんですけど、ミュラーや中盤の(ドイツ代表MFレオン・)ゴレツカも献身的に働き、みんなが輝いてそれでチームも輝く。バイエルンの戦い方に対する印象はまさにそんな感じですね」
リヨンとの準決勝(3-0)では、ドイツ代表MFセルジュ・ニャブリが相手守備5人を翻弄する突破から先制点を奪取。こうした“個人技”も光る一方で、楢﨑氏は「中盤やサイドの選手を含めた働きが効いているので、個人というよりユニットとして注目したい」と、これまでの戦いぶりを踏まえて語った。