「守る側としては怖い」 元日本代表GK楢﨑正剛が分析、バイエルンの“恐ろしさ”とは?

悲願の初優勝を狙うPSGと過去5度の優勝経験を誇るバイエルンが激突【写真:Getty Images】
悲願の初優勝を狙うPSGと過去5度の優勝経験を誇るバイエルンが激突【写真:Getty Images】

【楢﨑正剛氏のCL決勝展望】初優勝狙うPSGは成熟度がアップ 「全体的にまとまりがある」

 UEFAチャンピオンズリーグ(CL)は、いよいよ決勝を迎える。新型コロナウイルスの影響による大会形式の変更で、準々決勝以降の試合が一発勝負で争われたなか、ファイナルへ進出したのはパリ・サンジェルマン(PSG/フランス)とバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)。欧州の頂点へと辿り着くのは潤沢な資金をバックに飛躍を遂げたフランスの雄か、それとも過去5度の欧州チャンピオンに輝いているドイツの名門クラブか――。現地時間23日(日本時間24日4時/DAZNでライブ配信)に行われる注目の一戦の展望企画として、元日本代表GK楢﨑正剛氏が両チームのここまでの戦いぶりや、見どころを分析した。

 新型コロナウイルス感染拡大による中断を経て8月に再開された今季のCLは、スケジュール上の問題から準々決勝以降の試合が一発勝負で争われた。ポルトガルでの集中開催というレギュレーションの変更もあったなかで、準々決勝では優勝候補と目されていたバルセロナ(スペイン)やマンチェスター・シティ(イングランド)が敗退。24年ぶりにイングランド勢とスペイン勢が4強進出を逃す“波乱”の展開となった一方、準決勝では下馬評通りの実力を示した2チームが“順当”に勝ち上がった。

 その一つであるPSGはブラジル代表FWネイマール、フランス代表FWキリアン・ムバッペの“二枚看板”を擁し、ここまでの10試合で25得点をマーク。悲願の欧州初制覇まであと一歩に迫った。そのPSGがこれまでの最高成績であるベスト8の壁を突破できた一つの要因として、楢﨑氏はチームとしての成長を挙げている。

「今までは良いところまで勝ち上がりながら要所で勝ち切れなかった印象がありました。ただ今大会では、全体的にまとまりがありチームの成熟度が上がっているような気がします。スペシャルな選手もいますけど、そのあたりもポイントだなと思いますね」

 攻撃面だけでなく、1試合平均0.5失点(10試合中)という守備力の高さも光る。準々決勝のアタランタ(イタリア)戦では、正守護神のコスタリカ代表GKケイラー・ナバスが後半に負傷交代するアクシデントが発生。RBライプツィヒ(ドイツ)との準決勝でゴールマウスを守ったのは、今季リーグ戦2試合出場の控えGKセルヒオ・リコだったが、3-0の完封勝利を収めている。

 PSGの守備について、楢﨑氏は「ソリッドな印象はない」としつつも「危険なところを察知し、しっかり止める術を持っている選手が多い」と分析。とりわけ、ブラジル代表DFチアゴ・シウバを中心とした守備陣の連係がしっかりと確立されていることは大きなポイントだったと、楢﨑氏は見ている。

「一緒にプレーしている期間が短いと、ディフェンスラインとGKの連係に綻びが出てきてしまいますけど、今のPSGはそうではない。レベルの高い選手たちが揃っていて、なおかつ、それぞれが戦い方を熟知しているなかでプレーしている。もちろん、経験豊富なシウバの存在も大きいですよね。GKとしては頼もしい限りでしょう」

 組織力に磨きがかかるとともに、ネイマールの“成熟”を指摘する声も少なくない。これまではどこか独善的なプレーを見せていたテクニシャンも、今大会ではピッチを広く駆け回り、献身的なプレーを見せる場面もあった。28歳を迎え、これまでよりも“大人”になったネイマールについては、楢﨑氏も注目しているという。

「今大会を通じて、チームの攻撃に違いを作り出しているのは彼であり、スイッチが入った時の止められない感じは凄まじさがある。大舞台となると、より気持ちの入ったプレーが出てくるんじゃないかと思います。この決勝に懸けているところもあるでしょうし、見どころでしょうね」

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