4大会連続出場に漂う暗雲

　無情な敗戦を告げるホイッスルが鳴り響いた後のスタジアムで、なでしこジャパンの宮間あや主将は、大儀見優季とともにメインスタンドの観客に向けて深々と頭を下げていた。4日のリオデジャネイロ五輪最終予選、第3戦の中国戦でなでしこジャパンは1-2で敗戦。宮間は頰に伝わる涙を必死に拭いた。

「本当に、応援してくださっている方に申し訳ないと思います」と、キャプテンは声を振り絞った。自責の念から泣き崩れ、フィールドに残る同僚の気持ちを必死に鼓舞した。

　3試合を通じて、どこか歯車が噛み合わないままズルズルと進んできてしまった。ボールを保持して優勢に進める時間は長かったが、それはスコアに反映されてこない。宮間も「3試合通じてうまくいっていないという感覚はあまりないと言いますか、結果を出せないということだけがうまくいっていない」と語った。自分たちに良い流れを引き寄せきれないままになってしまったと話した。

　自身の起用法もサイドハーフ、トップ下、ボランチと定まらなかった。左右両足で世界トップクラスの精度を持つ宮間のキックだが、この3試合でセットプレーからマークした得点はゼロ。困った時になでしこを救ってきた武器も、相手の徹底マークに苦しみ、最後まで得点につながらなかった。