選手はピッチ上で号泣！ なでしこ黄金時代の終焉か

　だが、切なる願いは届かなかった。後半13分、MFグー・ヤーシャの放ったミドルシュートがゴールネットに突き刺さり、痛すぎる2点目を失った。同20分にFW横山久美が相手DFからボールを奪うと、カットインから追撃のゴールを決めた。しかし反撃は実らず、またしても勝ち点を得ることはできなかった。試合終了直後、澤さんは悔しさをこらえて、こう語った。

「選手全員がよく戦いましたが、結果がついてこなかったかなと思います。こういう時こそチーム一丸となってほしいです。みんな気持ちが沈んでしまっていると思いますが、5試合が終わるまで頑張ってほしいなと思います。この2日間で切り替えて、最後まであきらめず闘ってほしい」

　なでしこの敗退危機に中国戦前日練習に激励に訪れた。かつての同僚に奮起を促したが、1点差を挽回できなかった。五輪への道が風前のともしびとなった。これで世界を震撼させたなでしこの終焉なのか。ピッチ上で涙に暮れたなでしこのレジェンドは最後まで強い気持ちを貫くことを求めた。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真　photo by Getty Images