なでしこ、4大会連続の五輪出場は絶望的 歯車噛み合わず中国に1-2敗戦
攻勢に出た後半に痛恨の2失点目
後半に向け、佐々木監督はMF川村に代えて切り札のFW岩渕真奈を投入した。昨年の女子ワールドカップカナダ大会から見ても、最も早い時間帯でジョーカーを切り、得点への意志とメッセージを伝えて選手たちを送り出した。
それに応えるように、後半1分にはボランチにポジションを移したMF宮間が攻撃参加し、前線でのプレスでFW大儀見優季がスライディングでボールを奪ったところから強烈なミドルシュートを放った。GKジャオの好セーブにあったが、なでしこジャパンは勢いのある入りを見せた。
しかし、なでしこジャパンの夢を打ち砕くようなボールがゴールに吸い込まれてしまった。同13分、相手MFグー・ヤーシャがペナルティーエリア外から放ったミドルシュートがブロックにいったDF熊谷に当たり、ループシュートのような軌道で日本ゴールへ。GK福元が必死に飛びついたが、ボールはその手の先を越えて決まった。0-2とリードを広げられ、厳しい状況に陥った。
それでも、なでしこジャパンは不屈の闘志で意地を見せる。同19分、左サイドからFW岩渕が入れたクロスはニアサイドで相手にカットされたが、FW横山が猛然とチャージ。相手からボールを奪い返すと、そのまま中央に相手を1人かわして右足のシュートを突き刺した。日本は1-2と再びビハインドを1点にした。
佐々木監督は得点直後の同22分にMF中島依美に代えてMF川澄奈穂美を投入。世界一を知るアタッカーに同点、逆転への起爆剤としての役割を託した。守備を固めてカウンターを狙いにかかる中国に対し、日本はサイド攻撃を増やしてなんとかゴールを割りにいくが、決定的なチャンスはなかなか生み出せない。
最後まで歯車が噛み合いきらなかったなでしこジャパンに対し、1-2のまま無情なタイムアップの笛が鳴り響く。開幕3戦を終えて1分2敗と、リオ五輪への出場は絶望的になった。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images