佐々木監督が語るなでしこ苦戦3つの要因 “澤ロス”からの脱却なるか
チーム心臓部のダブルボランチへの不安
なでしこジャパンは2日の韓国戦で1-1のドローに終わり、リオデジャネイロ五輪最終予選のスタートからわずか2試合で自力での突破が消滅した。試合後、記者会見に臨んだ佐々木則夫監督は、チームの不調について昨季限りで現役引退した澤穂希さんの抜けたダブルボランチの機能不全など3つの理由を挙げた。
「(初戦の)オーストラリア戦では非常に悔いが残るプレーが多かったんですけど、自分たちのサッカーをやれば何とか結果がついてくると信じて試合をスタートし、取り組む姿勢は出せたと思います。ただ結果として勝ち点3が取れなかったことは一番の反省かなと思います」
試合直後の記者会見で佐々木監督は開口一番、悔しさをかみしめながら語った。この日の日本は1-3で敗れた初戦に比べれば、前半から主導権をつかんで試合を運んだものの、終盤まで均衡を破れないもどかしい展開が続いた。苦戦が続く要因の1つ目として、ダブルボランチのゲーム構成力に言及した。
「もう少しダブルボランチのところが機能すれば良かったのかなとは思います。点が取れない理由に関しては、フィニッシュの精度だけで片付けられないです。フィニッシュ手前のプレーと、その一歩手前での精度が欠いているところはあります」
この日の日本は初戦でボランチの宮間あや主将をトップ下に上げた4-2-3-1システムで臨み、川村優理と上尾野辺めぐみのダブルボランチで臨んだ。川村は守備面で強さを見せたものの、時間の経過とともに中盤から効果的な攻撃を組み立てられなくなった。なでしこのボランチと言えば昨季限りで引退した澤穂希さんの印象が強い。“澤ロス”とともに、昨年の女子ワールドカップで活躍した左利きの大型ボランチ宇津木瑠美がコンディション不良で選出外となったことの影響も大きい。