岡崎慎司、スペイン2部で味わった「天国と地獄」 “葛藤”を乗り越えた分岐点の試合とは?
マラガで経験した退団劇 移籍市場締め切りギリギリでの契約解除「半年何もできずに…」
「僕自身も大変だったけどマラガも頑張ってくれていたので、最後は解除してもらえて助かった。本当に(移籍市場)ラスト何時間のところでの解除だったので、僕以外の選手は解除できなくて3、4人はマラガにいるけど出られないという状況が半年続いていた。僕は代理人と一緒にクラブに滞在して『解除するための手続きに切り替えて!』と言ってたんですけど、マラガは登録するように最後まで粘って、ダメだったら半年いてもらうしかないという状況だったので、周囲の方のおかげで切り抜けられた。今があるのはそういうのがあったから。ギリギリの凄い経験をした。天国と地獄……じゃないけど、半年何もできずにマラガにいたと思うとぞっとしますね」
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リーグ戦が第3節まで終了した19年9月4日、ウエスカへの入団が決定。同8日の第4節スポルティング・ヒホン戦(1-0)に途中出場して新天地デビューすると、第8節ジローナ戦(1-0)では、アクロバティックなボレーシュートで移籍後初ゴールを決める。第12節ルーゴ戦(2-3)、第13節エルチェ戦(2-0)で2試合連続得点するなど、豊富な経験を生かして順応しているように思われたが、第18節アルコルコン戦(2-0)ではベンチスタートとなった。ここから3試合連続で途中出場。それでも年内最後の一戦となった第21節、MF香川真司との日本人対決となった“ダービー”のサラゴサ戦(2-1)で先発に返り咲き、ゴールを決めた。
「結果としては終わりよければすべてよしじゃないけど、1年間で点を取れて良かったし、昇格して優勝もできた。運もあったけど、本当に『ほっとしている』とか『良かった』というのが当てはまる感じがする。でも、その裏では1年間いろいろあって、今まで通りと言えばそうやけど、試合に出ない時期があったり、2部でプレーするのを受け入れることに苦労した。みんなが経験するようなことを僕も経験して、そのなかでも重要な場面でゴールを決めることができた。決めることだけに集中したわけじゃなくて、チームにフィットすることも考えながらだったので、1年間続けられたことが結果にもつながったし、最終的にチームの優勝や勝ち点に貢献できた。僕自身、レスターでは最後ほとんど試合に出ていなかったので、そういう悔しさをぶつけられた1年だったのかなと思いますね」
岡崎が口にした2部でプレーすることへの葛藤――。清水エスパルスから2011年にブンデスリーガのシュツットガルトに加入。13年にマインツへ移籍し、15年からはプレミアリーグのレスターでプレーし、加入1年目で奇跡のリーグ優勝を経験した。4シーズン、イングランドで戦い抜き、34歳でスペイン2部へやってきた。そこにはやはり、拭いきれない葛藤があった。