奇跡の逆転劇にあと一歩… インテルが伊杯準決勝第2戦でユーベ相手に3ゴールで延長PKに持ち込むも惜敗
PK戦でパラシオが両軍唯一のミス
奇跡の逆転劇までわずかに一歩及ばなかった。2日のイタリア杯準決勝セカンドレグで、日本代表DF長友佑都所属のインテルはイタリア王者ユベントスと対戦。ファーストレグを敵地で0-3と大敗したインテルは90分間を3-0でリードし、2戦合計で同点に追いついた。試合は延長戦の末、PK戦にもつれ込み、全員が決めたユベントスに対しインテルは一人が失敗し、ユベントスが決勝に進出した。先発フル出場の長友はPK戦の4人目としてPKを成功させたが、最後に涙をのんだ。
3点を追う状況で試合に入ったインテルは、前半から積極果敢なプレッシングでユベントスの自由を奪いにかかった。そして同16分、早くもその試みが実る。この日、イタリア代表GKジャンルイジ・ブッフォンとのターンオーバーで出場したユベントスのブラジル人GKネトが弱いショートパスをMFエルナネスに出したスキを、インテルのMFガリー・メデルが見逃さずにチャージ。ペナルティーエリアすぐ外でボールを奪い、そこからMFマルセロ・ブロゾビッチが先制点を決めた。
これで勢いづいたインテルは、ゲームの主導権を完全に握った。ジェイソン・ムリージョ、ミランダの不動のセンターバック2枚を出場停止で欠き、DFダニーロ・ダンブロージオを中央に組み込むスクランブル体制のインテル最終ラインも機能。ユベントスを自陣に釘付けにする猛攻を見せた。追加点こそ奪えなかったが、追い上げムードが高まる中で1-0で前半を終えた。
ハーフタイムにロベルト・マンチーニ監督は負傷したMFジョフリー・コンドグビアに代えてウインガータイプのMFジョナタン・ビアビアニを投入。さらなる攻撃姿勢を強調して後半に入った。そして同4分、インテルは追撃弾を決めた。速攻で右サイドをFWエデルが切り込むと、中央へ速いクロスを供給。ファーサイドに走り込んだMFイバン・ペリシッチが押し込み2-0とした。あと1点で同点という状況に、本拠地サンシーロのボルテージは最高に高まった。
ユベントスは同8分、インテル最終ラインの裏に抜け出したFWシモーネ・ザザのシュートがゴールポストを直撃。1点を奪われれば5-1の勝利が必要になるインテルは九死に一生を得た。マッシミリアーノ・アッレグリ監督は同10分過ぎにDFアンドレア・バルザーリを投入。3バックに変更して後方の安定を図った。
しかし、そのテコ入れも実らなかった。同37分、左サイド奥深くのゾーンからペナルティーエリアに侵入したペリシッチを、DFダニエレ・ルガーニが誘われるように足を出して倒してしまいPKの判定。先制点を決めたブロゾビッチがこのチャンスを決め、試合は3-0に。ついにインテルがファーストレグの劣勢を挽回した。試合はトータルスコア3-3で延長戦に突入した。