なでしこが韓国相手に痛恨ドロー 4大会連続の五輪出場へ黄信号

PKストップから先制と流れは良かったが…

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 前半、劣勢だった韓国も後半は落ち着きを取り戻し、五分五分の試合展開となる。なでしこは前半同様に横山にボールを集めてチャンスを作るが、得点につながるプレーは見られない。

 我慢の時間が続いた後半13分、佐々木則夫監督が攻撃のカードを切る。ボランチのMF上尾野辺めぐみ(新潟)に代えて、FW岩渕真奈(バイエルン)を投入し、2トップに変更。アタッカーの枚数を増やして、1点を奪いにいった。

 しかし、後半24分になでしこに大ピンチが訪れる。相手の右クロスをエリア内でクリアしようと体を投げ出したDF近賀ゆかり(INAC)の手にボールが触れると、これがハンドの判定を取られ韓国にPKが与えられた。

 キッカーはチ・ソヨン。しかし、ゴール右へのシュートを完全に読み切ったなでし守護神GK福元美穂(岡山湯郷)がセーブ。福元は弾いたボールも素早い身のこなしから右足で掻き出し、絶体絶命のピンチを脱した。同32分には、前半から再三好機を演出していた横山に代えて、中島依美(INAC)を送り出した。勝ち点3を目指して、打開を図るが、韓国も堅い守備でしっかりと応戦した。

 決め手を欠いたなでしこだったが、同39分についに均衡が破る。川澄が右サイドから中央へクロスを送ると、待っていたのは途中出場の岩渕。飛び出した韓国GKが触れることのできなかったボールを頭で押し込んだ。右膝の外側側副靱帯(じんたい)断裂から復帰した“マナドーナ”の一撃で先制に成功した。

 しかし、歓喜の瞬間もつかの間、その直後に痛恨の失点を喫してしまう。同42分、韓国の右クロスに飛び出したGK福元がクロスをキャッチするも、DF熊谷紗希(リヨン)と交錯し、ボールをこぼしてしまう。これを拾った韓国FWチャン・ソルビンに決められ、1-1の同点に追いつかれた。 そのまま試合は終了。得点直後の痛恨の失点で、勝ち点3を得ることはできなかった。

 初戦を落とした後、なでしこの選手たちは主将の宮間を筆頭に残りの4戦全勝を誓っていた。しかし、第2戦でも勝ち点1を積み上げるにとどまった。前回ロンドン大会銀メダルのなでしこが、窮地に追い込まれている。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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