14戦連続先発のミラン本田 代役不在の背番号10を襲う試練の「ラスト3カ月」
本田ら主力を襲う資金難のしわ寄せ
「バロとメネズはいい仕事をした。だが、彼らがトップコンディションから程遠いのは見て取れる。私はマリオに態度を改めろと言ってきた。今日彼は走り、チームのために犠牲になっていた。だが、まだ万全の状態ではない」
鬼軍曹は言葉を重ねた。タイ実業家への株式売却交渉で完全合意の末、6度もドタキャンを食らったミランは想定していた資本流入が滞り、人件費削減のために1月の移籍市場で人材を大量に放出した。元オランダ代表MFナイジェル・デヨング、イタリア代表MFアレッシオ・チェルチ、元U-21スペイン代表MFスソらを手放す一方で、加わったのは無所属で練習参加していた元ガーナ代表MFケビン=プリンス・ボアテングのみだった。
このしわ寄せが、本田ら攻撃陣に襲いかかっている。4-4-2システムで万全なストライカーは、トップスコアラーのFWバッカのみ。攻撃的MFを兼務できるメネズもまだ100%の状態ではなく、本田とイタリア代表MFジャコモ・ボナベントゥーラの代わりとなる2列目の実力者は見当たらない。
13年ぶりのイタリア杯決勝進出を果たしたミランは、公式戦12試合無敗で現在リーグ6位と波に乗る。シーズン終幕まで残り3カ月を切ったが、同僚のコンディションが万全になるまで本田が休む暇はなさそうだ。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images
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