英雄デル・ピエロ、ピルロとジダンの“監督対比”を否定 「比較すべきではない」
U-23チームからのスタートがベターだったとしつつもエールを送る
イタリア王者ユベントスは、今季から就任してリーグ優勝を成し遂げたマウリツィオ・サッリ監督を8日に解任。同日にクラブのレジェンドである元イタリア代表MFアンドレア・ピルロ氏の監督就任を正式発表した。
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驚きの言葉を発したのが、長年ユベントスのエースとして活躍し、現在は衛星放送局「スカイ・スポーツ」のコメンテーターを務める元イタリア代表FWアレッサンドロ・デル・ピエロ氏だ。クラブのバンディエラとして君臨した男は「ピルロがいきなり監督になるということに、僕は1ユーロ(約125円)すら賭けられなかった」と、その驚き具合を表現した。
ピルロ氏は当初、来季からU-23チームの監督に就任することが発表されていた。レアル・マドリードでのジネディーヌ・ジダン氏や、バルセロナでのジョゼップ・グアルディオラ氏のようにセカンドチームでの経験を積むことでトップチームの指揮官に育て上げるというプランがイタリアメディアでは報じられてきたが、デル・ピエロ氏もそのプランに同意していたのだという。
「U-23チームを率いるという選択に、すでに満足していた。彼にとって正しいステップだったと思うのだけど、ここでさらに進んだものをやることになった。なんであれ、彼の幸運を祈っているよ」
一方で、デル・ピエロ氏は昨今のサッカー界の流れとして「一般的に、元選手が監督になるという認識は変化している。以前は、長い見習い期間が必要だったが、近年では、フィリッポとシモーネのインザーギ兄弟、そしてジェンナーロ・ガットゥーゾと、素晴らしいチームですぐに始めた偉大なチャンピオンを見てきた」として、現役時代に同年代のサッカー界で活躍してきた3人が、ACミランやナポリ、ラツィオといった強豪を率いている情勢に触れた。
ピルロ氏は、ジダン氏やグアルディオラ氏と比較されるのを避けられないだろう。ただ、ジダン氏とユベントスでチームメートとして過ごしたデル・ピエロ氏は、「ジズー(ジダン氏の愛称)はセカンドチームを率いたのだから、比較すべきではないよ」と釘を刺す。
「ピルロはより優れた能力を発揮するポテンシャルを持っている。彼は環境、選手、そしてクラブを知っている。その野心、目標について非常に明確な会話がクラブとあったことは想像できる」
ピルロ氏とデル・ピエロ氏は2006年のドイツ・ワールドカップにおけるイタリア代表の優勝メンバー。クラブレベルでは長年ユベントスのデル・ピエロ氏、ACミランのピルロ氏という中心選手同士でライバルだったが、最後にはユベントスで共闘した。現在はコメンテーターを務める“ファンタジスタ”は、“マエストロ”の門出に幸運を祈っている。
(FOOTBALL ZONE編集部)