なでしこ川澄の迎えた試練 負ければリオ五輪消滅危機の日韓戦で親友の「女メッシ」との宿命の対決

元INACの同僚のチェルシーMFチ・ソヨンとサバイバルマッチ

 なでしこのスピードスターは、元チームメートである韓国の「女メッシ」へ最大の警戒を語っている。2日にリオデジャネイロ五輪最終予選の第2戦で日韓戦を控えるなでしこジャパンは、1日に大阪府内で調整した。MF川澄奈穂美(INAC神戸)は「必ずリオ五輪への切符を取ると全員が信じている」と厳しい黒星スタートにも折れない気持ちを表現。勝利を得るためには、韓国のキープレーヤーを封じることが重要だと話した。

 2月29日にオーストラリアと激突した初戦で、なでしこは1-3と敗れた。経験ある選手たちを並べたメンバー構成での敗戦について、川澄は相手の良い研究と自分たちの拙いプレーの双方が噛み合ってしまったと分析している。

「まだビデオを見ていないので、やってみた印象として、オーストラリアは自分たちのやりたいことをやってきていた。その分、自分たちが準備していたことが出させてもらえなかったのかなと思います。今日ミーティングがありましたけど、やっぱり選手間の距離が遠かった。もっともっと勇気を持ってボールを受けにいかないといけないという話はみんなでしました」

 そして、次戦は日韓戦が待ち受ける。黒星スタートになったなでしこはもちろんこと、初戦の北朝鮮戦を引き分けで入った韓国にとっても2位以内確保に向けて勝ち点3が是が非でも欲しい一戦になる。逆に言えば、敗れたチームは6分の2という厳しい枠の中でかなり厳しい立場に立たされることになる。まさに、サバイバルマッチとも言える一戦だ。

 その韓国の中心選手が、MFチ・ソヨンだ。2011年から13年までINAC神戸レオネッサで川澄ともチームメートだったが、その間にINACはリーグ3連覇と黄金期を築いた。14年、15年とINACはリーグタイトルを逃しているが、彼女の抜けた穴が埋まっていない面は少なからずある。川澄にとっては心の親友でもあり、自身のブログへの登場頻度はかなり高かった。その存在が、なでしこの五輪への道のりの上で大きな障害物として立ちはだかる。

 

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