“技巧派MF”三好康児、ベルギーで勝負の2年目 連動性重視の新監督…トップ下で輝くか
負傷で出遅れも…定位置奪取を十分に狙える雰囲気がある
それに対してレコ監督は、個の力よりもチームとしての連動性を重視したサッカーを目指している。3-5-1-1を基本布陣とし、マイボールの際には両サイドのウイングバック、2人のセンターハーフのうちの1人、トップ下、そしてセンターフォワードの計5人が相手の最終ライン付近にポジションを取り、そこからピッチ中央にいる3人が臨機応変にポジションを変えながらコンビネーションプレーで崩していくというのが基本的な考え方で、レコ監督は2シーズン前にクラブ・ブルージュで指揮を執っていた頃に採用していたのとほぼ同じ戦術を、アントワープでも導入しようとしている。
三好はこれと類似した戦術を採用していた北海道コンサドーレ札幌でのプレー経験があるので、レコ監督の要求にもしっかりと適応できるはずだし、狭いスペースでのプレー精度とスピードでコンビネーションプレーにアクセントをつけることも可能だろう。7月上旬にハムストリング(太もも裏)を負傷し、1日に行われたクラブ・ブルージュとのベルギーカップ決勝(1-0/三好は出場せず)でベンチ入りするまで戦列を離れていたことや、その試合で三好と同じくトップ下でのプレーを得意とする元イスラエル代表MFリオル・レファエロフがゴールを決め、チームを28年ぶりのカップ戦優勝に導く活躍を見せたことを考えると、レギュラー争いで出遅れた印象は否めない。
だが、出番が回ってきた時に自身の色を出してゴールやアシストなど目に見える結果を残せば、トップ下での定位置奪取は十分に狙えそうな雰囲気もある。8月から9月にかけてのシーズン序盤でどれだけアピールできるかがカギになりそうだ。日本が誇る小さな天才レフティーの活躍に期待したい。
(土佐堅志 / Kenji Tosa)
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