新生シント=トロイデン、ベルギー1部で躍進の予感 日本人5選手のチーム内“序列”は?
新加入の中村が左ウイングの一番手、伊藤と日本人選手同士でレギュラー争い
日本人選手の中で開幕スタメンの可能性が最も高いのは、6月末にガンバ大阪からレンタル移籍で加入したFW中村敬斗だろう。中村は、チームに合流した翌日の7月11日に行われたアンデルレヒトとのテストマッチでいきなり60分間プレーすると、続く同18日のベールスホット戦、22日のウェステルロ戦でも左ウイングのポジションで先発出場。さらに試合中にはCKのキッカーを任されるなど、即戦力としてかなり期待されていることが窺える。8月1日のオイペン戦ではゴールを決めるなど、中村自身の調子も上がってきているため、左ウイングのレギュラー最有力候補と言って間違いない。
一方、中村の加入は日本人選手同士によるポジション争いを生みつつある。中村同様にMF伊藤達哉もサイドでのプレーを得意としているが、マスカット監督の中で伊藤と中村を併用する考えは現時点ではないらしく、今のところ2人を左ウイングの位置で競わせている。
チーム合流後に3試合連続でスタメン出場を果たした中村に対し、伊藤は後半からの途中出場がほとんど。さらに、後半開始からプレーした7月18日のベールスホット戦では、終了間際に途中交代を命じられたことや、同22日のウェステルロ戦では20分弱の出場時間しか与えられなかったことを踏まえると、左ウイングに関する現状での指揮官のファーストチョイスは中村で、伊藤はそれに次ぐ2番手の評価になっているようだ。
しかし、伊藤も控え組中心のメンバー構成で臨んだ7月30日のベフェレン戦では先発して2ゴールをマークするなど、与えられたチャンスを生かしてしっかりと実力をアピールしている。加えて、シント=トロイデンは8月9日の開幕戦で昨季2位のヘント、第2節で国内最多32回のリーグ優勝を誇る名門アンデルレヒトとの対戦が予定されている。この格上相手の2試合で連敗するようなことがあれば、スタメンの入れ替えも選択肢の一つとして検討される可能性があり、その時には伊藤にもチャンスが回ってくるかもしれない。
いずれにせよ、今後も2人のポジションが左サイドに限定されれば、彼らによるポジション争いが、シント=トロイデンを巡る大きな話題の一つになっていくはずだ。
(土佐堅志 / Kenji Tosa)