リオ五輪へ暗雲漂う黒星発進 なでしこが最終予選初陣で豪州に3失点完敗
不運にも見舞われ前半に想定外の2失点
リオデジャネイロ五輪への道は、厳しすぎるスタートになった。29日、なでしこジャパンはリオ五輪アジア最終予選の初戦、オーストラリア戦に臨んだ。前半に2失点を喫すると、FW大儀見優季のゴールで1点を返したが、後半33分に追加点を許し1-3の敗戦。短期決戦では致命的になりかねない黒星スタートになった。
佐々木則夫監督は11人のスタメンのうち10人を昨年の女子ワールドカップ・カナダ大会を経験している選手で固めた。主将のMF宮間あや、今大会からなでしこの「10番」を背負う前線のFW大儀見優季など、2011年の女子ワールドカップ優勝を経験している選手も多数起用し、大事な初戦に臨んだ。
前半24分、サイド攻撃でなでしこはゴールに近づいた。左サイドからDF鮫島彩がオーバーラップを仕掛けると、中央にタイミングをやや遅らせて入り込んできたMF阪口夢穂につないだ。阪口はワントラップして左足の強烈なミドルシュートを放ったが、相手GKのセーブにあった。
その直後、なでしこは先制ゴールを許してしまう。ペナルティーエリア内で相手MFカトリーナ・ゴリーに立て続けにシュートを許すと、ここは守備陣が決死のブロックで防いだ。しかし、その二次攻撃からMFゴリーがクロスを上げると、オーストラリアのエースFWリサ・デバンナにヘディングで合わせられ、同25分に0-1とビハインドを背負った。
阪口のミドル以降、相手守備陣を崩し切れない状況を見て、佐々木監督は選手交代を決断。同39分にFW大野に代えて、「女メッシ」の異名を持つ期待の若手FW横山を投入する非情な采配を見せた。しかし、その直後に不運な2点目を奪われてしまう。同40分、中盤でMF阪口がサイドを変えようとしたボールが主審を直撃。それがオーストラリアにとって絶好のスルーパスのように転がった。デバンナが抜け出すと、最後はFWミッチェル・ヘイマンに押し込まれた。