レアルの左サイドはC・ロナウドの“聖域” ジダン監督が与える自由、その意図とは

レアルに存在した“ジダン・ポジション”

 ジダン監督は1月31日のエスパニョール戦と2月13日のビルバオ戦で、ウインガー起用にアレンジを加えて送り出したロナウドが、2戦合計5ゴール2アシストを決めたことに自信を深めたという。ウェールズ代表MFギャレス・ベイル、フランス代表FWカリム・ベンゼマと形成する「BBC」トリオによる連動性が、左サイドでプレーするロナウドの爆発力を最大限に引き出しているのは事実だが、仮にベンゼマやベイルが欠場しても、ジダン監督はロナウドの得点力を最優先とするために、センターフォワードで起用することはしないだろう。

 かつてジダン監督自身も“ジダンはジダンとして使うしかない”と言われていた。ジャック・サンティニ政権下のフランス代表でサイド起用されたジダンは、輝きを放つことができなかった。一方で「銀河系軍団」と呼ばれたレアル・マドリードでは、スタートは左サイドに位置していたが実際はトップ下の役割だった。またロナウドのライバルであるバルセロナのFWリオネル・メッシも現在右ウイングの位置にいるが、クロアチア代表MFイバン・ラキティッチの献身的な守備のサポートを受けて、前線で自由にプレーしている。

 真のクラックは、自由に使われることでこそ真価を発揮できる――。ジダン監督は自身の経験から、ロナウドの使い方を心得ているのかもしれない。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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