なでしこ「10番」の継承者、大儀見が語る女子サッカー界の危機感 「澤さんが引退して更に強くなった」

「誰が見ても納得できるプレーを作りたい」

 そして、自身にとっても背中につける番号が大きな注目を集める場になる。

「日本の女子サッカーのために全てを掛ける覚悟が少しずつ芽生えてきている。澤さんがこれまで20年以上背負って戦ってくれたものを受け継いで戦いたい。もちろん寂しい気持ちはあったけど、澤さんは引退してしまったので、今いる自分たちがやらなくてはいけない現実がある。しっかり戦える姿を見せたい。(10番は)形にとらわれず、自分のありのままをピッチで出すことが形になる。それはピッチの上で自分が作っていける。誰が見ても納得できるようなプレーを作っていきたい」

 トップ下、またはボランチといったチームの中央にいた前任者と、最前線でプレーする大儀見では当然、チームへの関わり方も変わってくる。新しい10番像を自分で作り上げていかなくてはならない。

 それでも、気負うことなく良い精神状態で臨めている。

「いつもとあまり変わらない。すごく試合をやるのが楽しみな気持ち。張りつめすぎてもいないし、リラックスしすぎてもいない。個人的には早く試合がしたい」

 10日間で5試合を戦う短期決戦。勢いに乗ったチームが有利になることからも、初戦の重要度は高い。エースの大儀見がゴールを奪うことが、これ以上ないなでしこへの追い風になるのは間違いない。最前線で戦う新たな10番が、リオへの道と日本女子サッカーの未来を明るく照らし出す。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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