なでしこ「10番」の継承者、大儀見が語る女子サッカー界の危機感 「澤さんが引退して更に強くなった」

地元開催のリオ五輪予選が女子サッカー人気の起爆剤に期待

 なでしこの“新10番”がお披露目になる。29日に始まるリオデジャネイロ五輪アジア最終予選は、FW大儀見優季(フランクフルト)にとって昨季で引退した澤穂希さんのつけていたエースナンバーを受け継いで臨む最初の大会になる。

「ワールドカップが終わってから危機感を持ち始めて、澤さんが引退してからさらに強くなった」

 大儀見は、なでしこジャパンや日本女子サッカーが安泰ではないと感じている。1993年に中学3年生で女子日本代表にデビューして以来、20年以上に渡って、本女子サッカーの象徴だった偉大な前任者の現役時代に、日本の女子サッカーは着実に成長した。ワールドカップや五輪は本大会に出場するのは当たり前になった。2011年には女子ワールドカップで優勝し、世界一にも輝いている。

 そのキッカケになったのが、2004年のアテネ五輪に向けたアジア最終予選。この時も日本で開催され、澤さんは右膝の負傷を抱えながらテーピングを巻いて強行出場。前回シドニー大会で逃した出場権を勝ち取った。当時期待のホープだった大儀見(当時は旧制の永里)も、メンバーとして立ち会っている。

「12年前のアテネ五輪の予選が日本であった時にその場にいましたけど、なでしこが注目されて成長する大きなきっかけになった。今回も日本での開催ですけど、自分たちが上に行くチャンスでもあるし、逆もしかり。それを生かせるような戦いにしたい」

 地元開催で注目を集めるだけに、良いプレーと結果を得なければ、マイナス方向に働く力も強くなる。そうした危機感は、ストライカーの胸に常にある。

 

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