食野亮太郎、“人生を変えた”恩師との出会い FW転向でマンC移籍実現「消えていたかも」

2列目からFWへ“抜擢” 戸惑いながらも助言で成長「生きていけるんじゃないか」

「ポジションが変わったことでゴールだけを目指してプレーできるようになったのが一番大きかったです。ピッチ外でも謙虚さとか、メンタルコントロールについて何回も、何回も、何回も1人グラウンドに残されて怒られました。そうやって向き合ってくれたこともあって、今は周りの人への感謝とか、まだまだ自分に満足しないという気持ちでいられる。1年半前の自分より成長できているんじゃないかなと思います」

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 昨年の始動後、2回目の練習で森下監督から呼び出された。「FWやってみよう」。その一言を聞いても、食野はピンとこなかった。

「『どういうこと?』と思ったけど、『間で受ける器用さとか、ドリブルはFWとしてゴールに近いところでプレーすれば生きるはずや』と言われました。フィジカル的なハンデはあるけど、徐々に逃げ方も分かってきた。FWとして生きていけるんじゃないかと2月、3月ぐらいから思い始めた。J3でも点が取れ始めて自信もつきました」

 最初のトップチームとの紅白戦では上手くいかなかった。相手のセンターバックは日本代表DF三浦弦太や韓国代表DFキム・ヨングォンら。トップクラスの選手相手に通用しなかったが、森下監督から「体の向きを半身でゴールに向けること」「動き出しではDFの背後にアクションすること」と助言を受け、劇的に改善された。

「最初は潰されまくったし、全然ダメでした。仁志さんに『どういうことなんですかね? 俺、なんでFWなんですかね?』と聞いたら、『今日1回でそんなに上手くいくと思ってねーよ』と助言をもらって意識したら、少しずつできるようになったんです。練習試合を積み重ねていくうちにトップの選手相手にもできるようになって、ツネさん(宮本恒靖監督)からも『FWでいいんじゃないか』と言われて。動き出しを意識したら、無駄走りも多くて体力がついた。めちゃくちゃ練習がキツイ時期もあったけど、それを乗り越えたら試合でのアクションの数が増えたし、足腰も強くなって、何よりメンタルが鍛えられました」

 プロ3年目でJ3スタート。誰よりも負けたくないという思いが強いがために、練習中に上手くいかないことがあれば、顔に出てしまうこともあった。それでも、森下監督はそんな食野の態度、姿勢を見逃さなかった。その日の練習後にグラウンドに残され、「そうじゃない、プレーで出すんや。やったらできる」と声をかけられた。1回ではない。2回、3回、10回……何度も何度もグラウンドで怒られた。

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