名FWベルカンプ、“再現不可能”な伝説ゴールの裏話告白 「意図的かと聞かれ…」

アーセナルで活躍したFWデニス・ベルカンプ【写真:Getty Images】
アーセナルで活躍したFWデニス・ベルカンプ【写真:Getty Images】

アーセナルで活躍したFWベルカンプ、今でも語りつがれる一撃のエピソードを明かす

 アーセナルで活躍した元オランダ代表FWデニス・ベルカンプ氏が、2002年のニューカッスル戦で決めた伝説のゴールについて、決めた直後は自分でも何が起きていたのかを理解していなかったとのエピソードを明かした。英誌「フォー・フォー・ツー」が伝えている。

 ベルカンプ氏は1995年にインテルからアーセナルに移籍し、2006年に引退するまで11シーズンにわたって活躍。2003-04シーズンの無敗優勝を含む、3度のプレミリーグ制覇などに貢献した。

そのボールコントロールとシュート技術でいくつもの芸術的なゴールを決めてきたベルカンプ氏だが、特に印象的なものが2002年3月のニューカッスル戦で決めた反転シュートだろう。

 ベルカンプ氏はDFを背負った状態で左サイドの元フランス代表MFロベール・ピレスからパスを受けると、左足で体の右側にボールをはたきながら、自らは反時計回りに素早くターン。まるで手品のようにDFと入れ替わると、再びボールを足元に収め、最後はGKとの1対1を冷静に沈めたのだ。

 一瞬見ただけでは何が起きたのか分からないスーパーゴールは、いまやベルカンプ氏の代名詞とも言えるゴールの一つだ。しかし、ゴールを決めた当の本人もその瞬間に何が起きたのか分かっていなかったという。

「あのゴールを決めた一週間は、みんなから『あれは本当に意図的だったのか?』と聞かれたよ。私はその質問の意味がよく分からなかったんだ。何日か経っても自分のゴールをテレビでは見ていなかったからね。あまりにも多くの人に聞かれるもんだから『OK、だったら僕も見てみよう』となったんだ。

 見返してみて、ようやくみんなの質問の意味が分かったよ。ピレスからのパスが少し後ろにズレていたから、私はその状況に体を上手く合わせたんだ。ワンタッチでゴールに向かいたかったからね。ボールにタッチした時にはもうすでに体は反対方向にターンしていた。とても良い動きだったね。

 多くのゴールで選手はプレーの直前にどういう動きをするのか決めるものだ。私もそうだった。あのように見えていたのは嬉しいし、今もあのゴールについてみんなが話してくれるのも嬉しいよ」

 その技術はもちろんだが、一瞬のひらめきと判断が再現不可能なあのスーパーゴールを生み出していたようだ。アーセナルファンのみならず、世界中のサッカーファンが憧れたゴールに隠された秘話をベルカンプ氏が明かした。

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