高校サッカー強豪の帝京長岡OB石田 フットサル代表で感じる「強度と判断スピード」の違い

バルドラール浦安FP石田健太郎【写真:河合拓/Futsal X】
バルドラール浦安FP石田健太郎【写真:河合拓/Futsal X】

三浦知良も経験した覚えることの多さに苦労するも「一つ先に行けるように…」

 帝京長岡高校は北信越を代表するサッカーの名門校だ。今春にはMF谷内田哲平が京都サンガF.C.に、FW晴山岬がFC町田ゼルビアに、DF吉田晴稀が愛媛FCへ加入した。また帝京長岡高は、第1回大会からU-18フットサル選手権に出場しており、歴代最多となる2度の優勝を果たしている。

 高校卒業後にはフットサルに転向する選手も少なくない。元フットサル日本代表FP佐藤亮、シュライカー大阪のFP斎藤日向、Y.S.C.C.横浜に加入したFP小林拓夢やFP安井嶺芽といった選手も輩出してきた。

 今回、20日から茨城でトレーニングキャンプを行っているフットサル日本代表のなかにも、帝京長岡高卒の選手がいる。バルドラール浦安に所属するFP石田健太郎だ。帝京長岡高卒業後、フットサル部のある多摩大学に入学した石田は、大学在学中に浦安に加入し、現在では中心選手となった。

 24日に行われたオンライン取材に応じた石田は、昨年12月に初めて参加したフットサル代表候補合宿で、代表活動のレベルの高さを実感したという。「強度のレベル、判断のスピードで最初は難しい部分がありました。その課題を持ち帰り、チームに戻ってからも取り組んでいきました。まだまだですが、ちょっとずつ判断スピードの部分は、良くなっていると思っています」と、2度目の合宿で自身の成長を感じ取れている様子をうかがわせた。

 当初、フットサル・ワールドカップ(W杯)は今年9月、その予選を兼ねたアジアフットサル選手権は今年2月に開催される予定だった。しかし、新型コロナウイルスの影響でフットサルW杯は来年9月に、アジアフットサル選手権は今年11月に延期された。石田は候補合宿に2度呼ばれた段階であり、まだフットサル日本代表に定着できていない。それでも、今後の成長によっては2つの大会を戦える可能性もある。

 帝京長岡高在学中から、フットサルで生きていくことを決意していた石田は、「まだ(代表候補合宿に呼ばれて)2回目なので、まだまだ覚えないといけないことは、たくさんある」と、所属クラブとは異なる代表の戦術やサインプレーなどに順応している段階だと認めた。

Jリーグの横浜FCでプレーするFW三浦知良も、2012年にフットサル日本代表の活動に参加した際に、覚える戦術やセットプレーの多さに舌を巻いていた。だが、石田は覚えるだけでは意味がないと感じているようだ。

「ただ、覚えるだけではなく、覚えたことをその先のプレーでどう出していくか。活かし方やタイミングを学ぶチャンスでもあると思う。ただ覚えるだけではなく、一つ先に行けるように意識してやっています」

 J3ができて以降、フットサル界には高校のトップレベルでサッカーをプレーしていた選手が入ってくることが減りつつある。そんななか、帝京長岡でもレギュラーとして高校サッカー選手権に出場していた石田は、大きな期待が寄せられている若手の1人。大会延期で得た代表定着へのアピールチャンスを生かせるか。これからの成長スピードにかかっている。

(Futsal X・河合拓 / Taku Kawai)



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