柏と浦和の開幕戦で起きた微妙な判定 ゴールラインテクノロジー導入の議論は加速するか

クロスに合わせた浦和の武藤 「僕の位置からは入っていた」

 サッカーという競技は、言うまでもなく得点の数を争うゲームだ。そして、J1開幕戦となった27日の柏レイソルと浦和レッズのゲームで、その最も重要なシーンに対して難しいシーンが生まれた。

 前半31分、浦和が右サイドから仕掛けた攻撃で、MF関根貴大が送ったクロスは柏DFに当たってコースが変わり、ゴール前でフリーになっていたMF武藤雄樹の下へ飛んだ。難しいバウンドになったこともあり、武藤は胸から腹にかけての部分でそのままボールを押し込みにかかり、ゴールに向かってボールが飛んだ。そこに反応した柏GK中村航輔がボールを弾き出した。

「僕の位置からは、入っていたと思う」と言う武藤は、ゴールを確信してガッツポーズをしたが、主審、副審の判断はラインを越えていないとしてノーゴールになった。柏GK中村は、「入っていても入っていなくても、入っていないので」と語るにとどめている。

 浦和が完全に攻め込んだ場面だっただけに、副審もゴールライン上で判定をすることはできたが、この場面ではGK中村が副審から見れば体でボールを覆い隠すような方向で弾き出しているために、ボールの位置を視認できたかどうかは疑わしい。今季からJリーグでは、チャンピオンシップなどのゲームで追加副審を導入することを発表しているが、攻撃方向から見て副審と同サイドの右側からゴールを見るだけに、仮にこのゲームで導入されていても判定の助けになったかには疑問が残る。

 

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