なぜラモスは瞬殺された? 久保の“ダブルタッチ突破”を元日本代表DFが解説「事前情報が仇に…」
レアル戦で見せた“3人抜きドリブル”を栗原氏が分析 「このプレーが久保建英の成長を物語っている」
日本代表MF久保建英がマジョルカで確かなインパクトを残した試合の一つに、保有元であるレアル・マドリードとの対戦が挙げられるだろう。世界屈指のセンターバック(CB)と評されるスペイン代表DFセルヒオ・ラモスを置き去りにした久保の“ダブルタッチ突破”について、「Football ZONE Web」のインタビューに応じた元日本代表DF栗原勇蔵氏が解説している。
昨夏にFC東京からレアルに完全移籍した久保は、今季開幕後にマジョルカへ期限付き移籍した。徐々にチーム内での信頼を勝ち取ると、新型コロナウイルスによるリーグ中断期間を経て右サイドハーフで絶対的な地位を確立。35試合に出場し4ゴール4アシストの成績を残した。加えて海外メディアでは、リーガにおいてドリブル数とドリブル成功率がバルセロナのアルゼンチン代表FWリオネル・メッシに次ぐ2位の数値を叩き出していることが、大きな話題を呼んでいた。
さらに、久保が世界を驚かせた一戦が、リーガ・エスパニョーラ第31節のレアル戦だ。保有元との直接対決では0-2と敗れたが、後半17分に圧巻のドリブル突破を披露する。鋭い反転でドイツ代表MFトニ・クロースを置き去りにした久保は、ペナルティーエリア手前で構えるラモスを高速ダブルタッチで抜き去り、3人を抜いて決定機まで持ち込んでいた。
今季リーグ最少失点のレアルで、絶対的なディフェンスリーダーとして君臨するラモスとしては、あまりにもあっさりと突破を許した場面だったが、栗原氏はプレー映像を確認したうえで「ラモスの中で左利きというのが完全に頭にあったのだと思う。カットインしてくると判断していたが、そこを逆手に取られてダブルタッチで抜かれたという形。完全に足が止まってしまった」と解説している。
「ラモスからすれば、左に切り込んでシュートを想定していたが、建英からすれば、中でボランチが挟みに来ているのが目視できたから、縦への突破を選んだのだと思う。ラモスが『それだけは選ばないだろう』というプレーを、建英はやってのけたということなのかもしれない。これがもし決まっていたら、ラモスは相当叩かれていたと思う。ラモスが今季、こんなあっさり抜かれることもそうそうなかったと思う」