オフサイドの判定ミスはなぜ起こったのか? “副審視点”で考察「ある程度任せようとして…」
鹿島MF遠藤のプレーを議論 「オフサイドだと分かっていたんだけれど…」
Jリーグは現在、観客の動員数に制限をかけて行われている。サポーターの声援も規制され、先週行われたJ1第5節では、選手たちと主審の“筒抜け会話”が大きな話題となった。異例な状況下でレフェリーにも注目が集まるなかで、今月7日に配信を再開したスポーツチャンネル「DAZN」の『Jリーグジャッジリプレイ』も第9回を更新。今回は、これまで取り上げることがあまりなかったアシスタントレフェリー(副審)についても議論がなされた。
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対象のシーンはJ1第5節、鹿島アントラーズ対横浜F・マリノスの前半36分。鹿島MFファン・アラーノのロングパスに抜け出したFW上田綺世が走り込んで決定機を迎え、横浜FMのGK梶川裕嗣がセーブした場面だ。この時、上田と同時にMF遠藤も走り込んでおり、ボールには触れなかったが、ディフェンスに戻っていた横浜FMのDFチアゴ・マルチンスと接触しブロックしたような形となった。この遠藤の最初の位置がオフサイドポジションだった可能性が高く、プレーに関与していたとなればオフサイドの反則となりそうだが、副審の旗は上がらずに試合はそのまま続いた。
番組ではまず映像で遠藤が本当にオフサイドポジションだったかを確認。実際にアラーノのパスの瞬間、遠藤がオフサイドポジションにいたことがはっきりした。
そのうえで、この一連のプレーがオフサイドの反則になるのかどうか、意見交換が行われた。Jリーグ副理事である原博実氏は、次のように所感を述べている。
「アシスタントレフェリーをよく見てみたんですけど、良い位置にいて、途中で右手に持ち替えているんですよね。たぶん、オフサイドだと分かっていたんだけれど、遠藤がプレーに関与しているかどうかはレフェリー(主審)のほうが、DOGSOかどうかとかいろんな角度から見ているので、そっちにある程度任せようとして、旗を上げずに見ていたんじゃないかなという気が僕にはしたんです」
レフェリー同士の連携の点を指摘した原氏に対して、JFA審判インストラクターの小幡真一郎氏も、副審は旗を右手に持ち変えていることから、遠藤がオフサイドポジションだったことを分かっていたのではと推測。そのうえで、遠藤はDFチアゴの進路を妨害した、接触したということで影響を与えていると見て、オフサイドの反則で旗を上げるべきだったという見解を示し、次のように“レフェリー視点”でも語っている。
「次の状況が刻々と来て、DOGSOになるとかGKがどの辺りまで出てくるとかペナルティーエリアのラインがどうこうというのは考えないといけない。いろいろなことを考えながら最終的に旗を上げることになるので、決して簡単なことではないと思います」