堀江貴文氏が語るJリーグの未来とは?(後編)|「都心に専用スタジアムを建設するために“あれ“を売ってしまえばいい」
「僕自身も、10年後が楽しみで仕方がない」
こうして対談は終了した。Jリーグの未来に向けた話は熱を帯び、とどまるところを知らなかった。
印象的だったのは、堀江氏のサッカーに対する知見の広さと愛情の深さであった。堀江氏が語っていた「Jリーグが今のプレミアリーグの地位を奪い取ることは可能だ」という言葉は、決してリップサービスではなく、Jリーグにはそれだけのポテンシャルがあると、本気で信じていると感じ取ることができる。
これから堀江氏が出していくアイデアは、全て実現するわけではないかもしれない。そこには予算の問題もあれば、法律の壁も立ちはだかる。だがそれでも、堀江氏の口から飛び出す言葉の数々に、素直に胸が躍らされたのは事実だ。
「僕自身も、10年後が楽しみで仕方がないですね」
日本サッカーは今、未来に向けて確かな一歩を踏み出した。
[PROFILE]
堀江貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年10月29日、福岡県生まれ。実業家。ライブドア時代、プロ野球球団買収、ニッポン放送買収などで注目を浴び、2005年には衆議院選挙に出馬した。06 年、証券取引法違反で懲役2年6カ月の刑を受け、13年10月刑期が終了。「ホリエモンドットコム」(http://horiemon.com/)で、自身の活動を網羅的に集約して発信。宇宙ロケット開発事業も継続中。2015年からJ リーグアドバイザーに就任。月刊誌「サッカーマガジンZONE」で、隔月連載コラム「日本サッカー向上委員会」を執筆中。
中西大介(なかにし・だいすけ)
1965年生まれ。神戸商船大学卒業後、一般企業を経て97年、公益社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)に入局。Jリーグのスポンサー営業や中継の権利販売等を担当。2002年日韓ワールドカップでは札幌会場の運営責任者を務める。10年に事務局長兼事業戦略室長、翌11年に事務局長兼競技・事業統括本部長に就任。14年より常務理事を務める。その他各種委員にも名を連ねるなど、Jリーグの根幹と実務を支える一人として活躍中。月刊誌「サッカーマガジンZONE」で、連載コラム「Football Cinema File」を執筆中。
〈サッカーマガジンZONE 2015年10月号より一部加筆修正をして転載〉
【了】
野口学●文 text by Manabu Noguchi
浦正弘●写真 photo by Masahiro Ura