堀江貴文氏が語るJリーグの未来とは?(後編)|「都心に専用スタジアムを建設するために“あれ“を売ってしまえばいい」
堀江氏の考えるもう一つの”結界”とは?
――他にも”結界”となっていると考えていることはありますか?
堀江 あとは、「分からないこと」や「知らないこと」も挙げられるでしょうね。サッカーファンでない人にとっては、スタジアムでサッカーを見ても正直よく分からないわけですよ。
言い方を変えれば、臨場感という点を除けば、テレビで見る方が面白い。なぜなら、リプレーシーンも繰り返し見られるし、誰がどんな意図でどんなプレーをしたのかなど、解説者が全ての情報を丁寧に説明してくれる。
スタジアムに初めて来る人は、選手のことすら知らない場合もあるわけで、スタジアムのラジオ放送、スクリーンでのリプレー、スマホ等を存分に活用して、もっとシームレスに情報を手に入れることができないと、楽しみ方も分からないんですよ。それもスタジアム観戦に行くことを阻んでいるハードルの一つでしょうね。
中西 確かに最近野球では、スタジアムで観戦しながら席に設置されたモニターでピッチャーが投げた球種やコース、配球まで確認できるサービスもありますね。
スタジアムに来た人が、一番楽しめる環境をつくらなければなりません。そうでないと、スタジアムに行こうという人が増えない。
そのためには、スタジアムで得られる臨場感だけに頼るのではなく、今はテレビでしか得られないような情報を簡単に誰にでも手に入れられる環境をつくった方がいいということですね。
堀江 演出という面でも、サッカーを知らない人でも楽しめるようにした方がいいでしょうね。
例えばK-1は、元はといえば空手の試合だったわけですよね。そこにキックボクシングやカンフーといった空手以外の要素を取り入れ、さらに入場音楽やナレーションなどの演出によってショーアップしたことで、地上波ゴールデンタイムに放送するコンテンツになった。
会場では選手の紹介映像も流れるので、初めて見に来た人でもその選手のここに至るまでのストーリーが分かりますし、演出面も含めて楽しむことができる。でもやっていることは、極端に言えば空手と変わらないわけですよ。
見せ方次第で、あそこまで変わるわけです。そういう意味では、Jリーグはまだまだエンターテインメント性に欠けていると言わざるを得ませんね。