“4バック”の浦和、FC東京に見せつけられた成熟度の差 浮き彫りになった課題とは?
【J番記者コラム】アウェーでFC東京に0-2敗戦、開幕5戦目にして初黒星
浦和レッズは18日のJ1リーグ第5節、FC東京とのアウェーゲームを0-2で終え、開幕5戦目にして初の敗戦となった。その試合内容は、今季から取り組んでいるサッカーの成熟度という点で大きな課題をチームに投げかけるものになった。
浦和は大槻毅監督の指揮の下、今季から4-4-2を採用し、コンパクトな陣形から奪って素早く攻めるサッカーを展開している。似た方向性にあるFC東京だが、この日は長谷川健太監督が4-3-3を採用。浦和の2トップはFC東京のアンカーの位置からビルドアップで最終ラインを前後するMF橋本拳人をケアする形になり、流動的に動く2列目を警戒して4バックは中央にコンパクトな形で待ち受けた。
そうしたなかで迎えた前半45分、構造的にプレスのかからないDF森重真人から右サイドの高い位置にあるスペースへ進出したDF室屋成へ大きなサイドチェンジが届くと、浦和の対応は遅れた。そこからのクロスにGK西川周作はわずかに触ったもののクリアはできず、そのボールをFWディエゴ・オリヴェイラに押し込まれた。大槻監督は試合後、「最後のスライドのところの強度が我々は落ちたかなという感じがありました。後は時間ですね、時間帯がもったいなかった」と、この失点を悔やんだ。
後半に入ると1点を追う浦和がボール保持率を高めたが、攻撃の機能性は上がらなかった。そうしたなかでMF青木拓矢のコントロールミスからMFアダイウトンに独走を許して追加点を奪われると、守備的に構えるFC東京を崩せなかった。大槻監督は「先に(点を)取られたところがすべてだと思います。先に取られたことで相手が構えてカウンターに出るという形だったので、ああいう形にならないようにゲームが進められれば良かった」と、試合展開を悔やんだ。
一方で、シーズンを戦うなかでは先制点を許すような試合展開は必ず訪れる。勝ち点状況によっては、浦和を相手に引き分けは問題ないというスタンスの対戦相手が出てくる可能性もある。そうしたなかで、人数のかかった相手の守備陣を崩すに至っていないことは大きな課題だ。この日のゲームで、これを決めていればと悔やまれるような場面は先制点を与えた直後にFW杉本健勇に訪れたヘディングシュートの場面くらいで、後半は完全に封殺されてしまった。
後半途中で左サイドにMF関根貴大、右サイドにMFマルティノスと突破力のあるタイプの選手を送り込んだ大槻監督だが、「形としてはワイドのところに強みを持たせる選手、そこに入れてクロスだけじゃなくて、崩しの形は入れたかったんですけど、サイドに出た時にFC東京のアプローチの強さとか、そういったものがちょっと上回ることができなかった」と、効果的に崩しきれなかったことを話した。