“常勝”鹿島に何が起きているのか 史上初「J開幕4連敗」…“ザーゴ流”浸透へ苦難の船出
結果は出ていないが「イメージするサッカーに近づいている」とザーゴ監督は断言
型にはめる――と言うと語弊はあるが、ポジショニング、ボールの動かし方、プレッシングのやり方など、細かい約束事に沿って、同じ絵を描きながらプレーすることが選手たちに求められている。
ザーゴスタイルの最も特徴的な“初期設定”は両サイドバックを高く押し上げ、2ボランチの1人が最終ラインに下がって、2人のセンターバックとともに3バックのような形を作り、ビルドアップしていく方法だ。ピッチの幅を最大限に生かし、サイドでの主導権を握る。それが戦術的な主たる狙いでもある。
エヴェラウド、ファン・アラーノ、和泉竜司、永戸勝也、広瀬陸斗と、Jリーグ開幕戦のスタメンの顔ぶれを見ると、新加入組がおよそ半数を占めていた。これまでの土台があるので、まるっきり“ゼロからのスタート”とまでは言わないが、新生・鹿島を強く印象づけている理由だ。
結果は伴っていないものの、「自分がイメージするサッカーに近づいている。下を向く必要はない」と新指揮官は断言する。
あらゆる面で初ものずくめの鹿島。この窮状をいかにして脱していくのか。
ザーゴ監督が打ち出す戦術的フォーマットに息を吹き込むのは、やはり選手たちの持ち味やアイデア、スキルにほかならない。戦術に従いつつ、戦術に縛られない。そんな絶妙な塩梅を見つけ出し、どこまで“自分たち仕様”に昇華できるか。そこが浮上の大きなカギになるだろう。
常に勝つことを自らに課す鹿島。真価を問う戦いが続く。