ACL日本人最多得点のプライド 浦和の初陣快勝を呼んだ興梠の冷静な観察眼

自らPKを奪取して追加点 鹿島時代からACL通算13得点に

 研ぎ澄まされたストライカーの感覚が、冷静なPKにつながった。24日のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)初戦のシドニーFC戦で、浦和レッズは2-0の勝利を収めた。1-0のリードで迎えた後半16分に途中出場のFW興梠慎三は、自らのプレーでPKを勝ち取るとゴール中央に決めた。そこには、百戦錬磨の男が持つ観察眼があった。

 右サイドからサイドチェンジをしようとしたボールが相手DFに当たって最終ラインの背後にこぼれると、背番号30のストライカーは誰よりも早く反応した。そのままドリブルで持ち込むと、飛び出してくる相手GKを右にかわそうとしたところでファウルを受け、PKの判定となった。試合前にミハイロ・ペトロヴィッチ監督からPKになれば主将のMF阿部勇樹か興梠のどちらかがキッカーを務めるように言い渡されていたが、阿部に声をかけて自らがボールを持ってPKスポットに立った。

「いつも阿部ちゃんが蹴りますけど、1-0で勝っていましたし、途中から出て疲れていない自分が蹴ろうと思って声をかけました。『蹴れば』とも言ってくれたので」というやり取りがあったという。

 そして、興梠は相手GKの挙動を観察し、キックのコースを決断した。

「構えた時に、GKがすごく動いて気合が入っていたので、絶対に横に飛ぶなと感じたので真ん中に蹴ろうと。普段はGKを見て蹴ることが多いけど、飛ぶと確信したので、残り足に当たらないように真ん中に浮かして蹴って、決まって良かったですね」

 

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