元神戸FWビジャが明かす“W杯自己ベスト弾”とは? 「僕にとって最も重要だった」
優勝した2010年W杯の準々決勝パラグアイ戦の決勝ゴールについて言及
10年前の7月10日、スペインサッカーは絶頂の時を迎えていた。南アフリカ・ワールドカップ(W杯)でスペイン代表が悲願の初優勝を成し遂げたが、昨季までヴィッセル神戸に所属した元スペイン代表FWダビド・ビジャがW杯での自身の5ゴール、そして決勝で優勝に導くゴールを決めた神戸MFアンドレス・イニエスタとの“秘話”をスペイン紙「マルカ」で明かしている。
2010年のW杯で、ビジャはイニエスタ、MFシャビ・エルナンデス、MFセスク・ファブレガス、MFダビド・シルバの「クワトロ・フゴーネス(4人の創造者)」と評されたテクニカルな中盤からパスを受けるフィニッシャーとして機能。5得点を奪い得点王を獲得した。
その5ゴールについて最も印象的だったと語るのは準々決勝パラグアイ戦での決勝ゴール。連動したパスワークからゴールポストに当たったボールを最後にビジャが流し込んだ形で「最も美しいとは言えないけど、僕にとってこれが最も重要だった。準々決勝の拮抗を終わらせるために、個人的には一番のお気に入りなんだ」と振り返った。
自らのゴールとともに振り返ったのは、オランダとの決勝戦だ。延長までもつれ込んだ試合はイニエスタ渾身の右足ハーフボレーで決着を見た。すでにピッチを後にしていたビジャは、このように振り返る。
「僕はベンチで疲れ果てていた。肉体的にも精神的にもだ。ほとんど動けないくらいでね。実際、頭の中ではPK戦、そして誰がキッカーになるのかということを考えていた。(ゴールが決まって)どれほど頭がおかしくなりそうになっただろう。でも僕はアンドレスを最初に祝福した人間になった。僕ら全員が感じていたエクスタシーだね」
ビジャはW杯優勝の味について「信じられないほどの高揚感だよ。言葉に表現するのは難しくて……できないね」とも語っている。昨季は神戸で再び盟友となったイニエスタとのW杯の栄光の瞬間は、ビジャの心に永遠と残り続けるのだろう。